俳優・杉咲花(26才)主演で話題を集める連続ドラマ『アンメット』。ドラマの内容もさることながら、主題歌やCMで流れる女性アーティストたちの歌声にも注目が集まっている。放送作家でコラムニストの山田美保子さんが解説する。
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5月も後半となり、早いもので今期のドラマも終盤を迎えつつある。
御存知のとおり、近年、リアルタイム視聴は激減し、評判の高い作品を後からまとめて“見逃し配信”で見る視聴スタイルが、特に若い層では当たり前となって久しい。
それでも、ドラマ評論家やコラムニストらによる指摘や論評はネットニュースでPVを稼いでいる。つまり視聴者は、作品選びの“指針”を欲しがっているということ。その背景には、「損をしたくない」という最近の視聴者の傾向が見え隠れしている。自身の選択で見始めたはいいが、面白くなかったときに「時間の無駄だった」と落胆する視聴者は少なくないと聞く。因って、専門家がハマっていたり、評価していたりする作品を把握し、無駄なくドラマを楽しみたいというワケだ。
果たして、今期、多くのプロがベストドラマとして挙げているのが杉咲花主演の『アンメット ある脳外科医の日常』(カンテレ・フジテレビ系)である。(以下、ネタバレあり)
交通事故で脳に損傷を負い、過去2年間の記憶がすっぽり抜け落ちてしまったうえ、“今日”のことも“明日”にはすべて忘れ、リセットされてしまう脳外科医が杉咲演じる川内ミヤビ。
だが、アメリカ帰りの脳外科医で、若葉竜也演じる三瓶友治による、やや強引な導きにより、ミヤビはもう一度、脳外科医としての道を歩むことになるのだ。
ミヤビがその日あったことをノートにギッシリ綴り、翌朝は、目覚まし時計に貼られた付箋に記された内容どおり、やるべきことを確認することからスタートする。
かつては優秀な若手脳外科医だったが、彼女に手術をさせるワケにはいかないという主治医や一部の同僚と、「できます」と頑なな三瓶。彼を信じようとするミヤビに対し、「三瓶先生は危険な医者」と耳打ちする者が出てきたり、三瓶が「僕たちは婚約していました」とミヤビに告げたりしたことで、ミヤビは都度、混乱する。