スポーツ

《ダルビッシュ日米通算200勝》日本ハム元監督・梨田昌孝氏が語る「唐揚げの衣を食べない」「左投げで130キロ」秘話、元コーチ・佐藤義則氏は「熱心な野球談義」を証言

日米通算200勝を達成したダルビッシュ有(時事通信フォト)

日米通算200勝を達成したダルビッシュ有(時事通信フォト)

 パドレスのダルビッシュ有(37)が5月19日(日本時間20日)のブレーブス戦で7回2安打無失点の好投で今季4勝目を挙げ、日米通算200勝を達成。野茂英雄、黒田博樹に次ぐ史上3人目となる。試合後のNHK-BSのインタビューでは「プロ野球に入った時からファイターズファンの方々、日本全体が自分を優しく育ててくださった。その感謝を忘れずにやっている」と話したが、日本ハム時代の監督・コーチも今回の快挙に賛辞を惜しまなかった。

 ダルビッシュは2005年に日本ハムでプロとしてのキャリアをスタートさせたが、2008年からポスティングでオフにメジャー移籍する2011年まで、日本ハムの監督を務めたのが梨田昌孝氏だ。梨田氏は「メジャーに行く前の肉体改造が忘れられない」と振り返る。

「体をもの凄く太らせて、ボテボテになったことがある。“大丈夫か?”と心配して声を掛けたくらいです。ダルは“これから絞るんです”と言って、実際に見事なまでに絞り切ったが、メジャーで通用するための肉体改造だったんでしょうね。独自の考えがあるようで、唐揚げでもまわりの衣をすべて取り除いて食べていました。“そこが旨いのに”と言うと、苦笑いしていましたね」(梨田氏)

2009年WBCで「抑え」の後の開幕投手志願

 キャッチャー出身の梨田氏は、キャンプではブルペンでの滞在時間が長かった。そこで目にしたダルビッシュの姿も、印象に残っているという。

「能力の高いピッチャーでしたね。球も速いがテクニックがあった。当時から多くの球種を投げていました。カーブでも、普通に曲がるカーブ、大きく曲がるカーブ、抜いた緩いカーブを投げ分けていたし、スライダーは縦スラ、横スラですからね。それも同じフォームで投げていく。本格派にして変化球投手でしたね。それも最高級の。

 研究熱心だったという印象もあるが、体の左右のバランスを意識していたと記憶している。左投げでも130キロを出し、80メートルぐらいの遠投をしていました。野茂(英雄)、阿波野(秀幸)、岩隈(久志)と一流ピッチャーを見てきましたが、中でもプロ意識が強いピッチャーのひとりでしたね」(梨田氏)

 日米通算200勝をすべて先発投手として達成したのは史上初の快挙だった。梨田氏はこう続ける。

「日本ハムの監督を務めた4年間は、ずっとダルが開幕投手でした。先発を任せるのは当たり前で、イニングの途中での降板もさせなかった。それぐらい信頼していた。

 2009年のWBCでは準決勝と決勝で抑えを任されましたが、原(辰徳)監督と山田(久志)コーチから“先発投手を抑えに使って申し訳ない”とお詫びの連絡がありました。そのシーズンは開幕投手にすると調整が難しいので他のカードに回す予定だったが、ダルは“行かせてください”ということで投げさせた。やはり調整が難しかったのか初の開幕投手での敗戦となってしまった。それでも志願するという強い気持ちがある選手だった」

関連キーワード

関連記事

トピックス

被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
NHKの牛田茉友アナウンサー(HPより)
千葉選挙区に続き…NHKから女性記者・アナ流出で上層部困惑 『日曜討論』牛田茉友アナが国民民主から参院選出馬の情報、“首都決戦”の隠し玉に
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
フジテレビの取締役候補となった元フジ女性アナの坂野尚子(坂野尚子のXより)
《フジテレビ大株主の米ファンドが指名》取締役候補となった元フジ女性アナの“華麗なる経歴” 退社後MBA取得、国内外でネイルサロンを手がけるヤリ手経営者に
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(時事通信フォト)
《「心神喪失」の可能性》ファストフード中学生2人殺傷 容疑者は“野に放たれる”のか もし不起訴でも「医療観察精度の対象、入院したら18か月が標準」 弁護士が解説する“その後”
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと住所・職業不詳の谷内寛幸容疑(右・時事通信フォト)
〈15歳・女子高生刺殺〉24歳容疑者の生い立ち「実家で大きめのボヤ騒ぎが起きて…」「亡くなった母親を見舞う姿も見ていない」一家バラバラで「孤独な少年時代」 
NEWSポストセブン
6月にブラジルを訪問する予定の佳子さま(2025年3月、東京・千代田区。撮影/JMPA) 
佳子さま、6月のブラジル訪問で異例の「メイド募集」 現地領事館が短期採用の臨時職員を募集、“佳子さまのための増員”か 
女性セブン
〈トイレがわかりにくい〉という不満が噴出されていることがわかった(読者提供)
《大阪・関西万博》「おせーよ、誰もいねーのかよ!」「『ピーピー』音が鳴っていて…」“トイレわかりにくいトラブル”を実体験した来場者が告白【トラブル写真】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《広末涼子が釈放》「グシャグシャジープの持ち主」だった“自称マネージャー”の意向は? 「処罰は望んでいなんじゃないか」との指摘も 「骨折して重傷」の現在
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン