使途が公開されない「官房機密費」の資金の流れ
政権交代を経ても同じ議論が繰り返される現状
1992年に参議院議員に当選した平野氏は、小沢氏らとともに自民党を離党し、細川護熙・羽田孜内閣では与党議員になった。
議員になってからは、“餞別”として機密費を受け取る経験もあった。
「ワシントンDCで日本の政局について講演を依頼されて渡米する際、羽田内閣で官房長官を務めた熊谷弘さんの秘書官が餞別として100万円を届けにきた。間違いなく機密費からでしたね」
長年にわたり、機密費と接してきた経験がある平野氏は、今こそ機密費について包み隠さず話し、改革を訴えなくてはならないと考えているという。
そして、政権交代を経ても同じ議論が繰り返される現状をこう嘆く。
「政治にカネがかかるのは確かですし、現在の日本政治文化のなかで規制や廃止をしても、さらに闇に消えるカネが増えるだけです。だから具体的な使途を公開することが重要です。せめてアメリカのように20年後には使途を公開するような仕組みに変えるべき。そうでなければ、いつまで経っても機密費の改革は進まないままです」
※週刊ポスト2024年6月7・14日号