ライブでの田村容疑者(本人のFacebookより)

精神科医の田村修容疑者(ライブでの様子。本人のFacebookより)

母親を「熟女系にでも売り飛ばせばいい」

 検察側の冒頭陳述では、田村家の歪な様子が明らかになっていった。中学時代から不登校となり、仕事もせず実家で暮らし続ける娘を“お嬢さん”と呼び、その“お嬢さん”こそが一家の最優先事項だったという。

「浩子被告と修被告は、幼少期から瑠奈被告を溺愛し、成人後も彼女の要望を最優先し、望むものを買い与えてきたそうです。瑠奈被告の所有物があふれるようになったが、片付けようとしても『触るな』と言われてしまうため、家の中は足の踏み場のない状況となったことが明らかにされました。そのため浩子被告は2階のリビングのわずかなスペースで暮らし、修被告はネットカフェで寝泊まりしていたといいます。

 浩子被告と修被告だけのLINEでも、ふたりは瑠奈被告を『お嬢さん』と呼び、敬語を使っていたそうです。両親は常に瑠奈被告の機嫌を伺い、毎日のように娘に食べたいものを聞いては、浩子被告から修被告に連絡し、買って帰る生活でした」(同前)

 瑠奈被告は、両親を奴隷扱いしていた。

 冒頭陳述によると、瑠奈被告は“置いた物の向きが違っていた”など、些細なことで両親を責めたという。浩子被告は、「熟女系風俗にでも売り飛ばせばいい。とっとと売れや」など怒鳴られたり、「お嬢さんの時間を無駄にするな。奴隷の立場を弁えて、無駄なものに金を使うな」という誓約書を書く羽目になった、それでも娘を叱らなかったという。
 また、修被告のことを瑠奈被告は「ドライバーさん」と呼び、クラブや怪談バーへの送迎に徹夜で付き合わせていた。運転中の修被告の首を絞めて叱責するなどしていましたが、やはり怒らず謝っていたという。

 田村家において、瑠奈被告は圧倒的な立場だった。家に瑠奈被告の所有物があふれかえり、奴隷扱いされても、「瑠奈ファースト」の親子関係が形成されたと指摘された。
“お嬢さん”がトップに君臨する、壊れた家庭。その歪みこそが、残虐な事件を巻き起こした──。

“ススキノ首切り殺人”の容疑者親子3人の自宅

“ススキノ首切り殺人”の容疑者親子3人の自宅

“ススキノ首切り殺人”の容疑者親子3人の自宅

北海道警察により「立入禁止」の黄色いテープが貼られている

“ススキノ首切り殺人”の容疑者親子3人の自宅

表札には「TAMURA」の文字が

事件当日ディスコイベントに参加していた浦仁志さん。そのまま事件が起きたホテルに向かったと見られる(写真右)

事件当日ディスコイベントに参加していた被害者男性。そのまま事件が起きたホテルに向かったと見られる(写真右)

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