後輩女性芸人が華やかな衣装で出るきっかけ
“いくくる”さん主催の3月3日の“お笑い女子会”のことをSNSで綴っていらっしゃる女性芸人さんも数多くいらっしゃいました。
華やかな色のジャケットにロングスカートが多かったいくよさんに対し、くるよさんはいまで言うなら、きゃりーぱみゅぱみゅサン(31才)のようなカラフルでポップなド派手な衣装が印象的でした。いま、後輩女性芸人の皆さんたちが華やかなファッションで出る“きっかけ”にもなられたのです。
くるよさんが車椅子に乗って「どやさ」を連発した最後の舞台で共演していらしたシルクさんは「20年来の、親しいマネージャーに看取られて、旅立たれました」とInstagramに報告。「お世話になりすぎて、言葉がありません。いつも笑顔で、しるやん、頑張りや!と、、(中略)皆育てていただきました」と感謝も綴られていました。
また、元アジアンの馬場園梓サン(43才)はFacebookで「いくよくるよ師匠に憧れて吉本に入りました。(中略)これからもずっとずっと憧れの師匠です」と綴り、くるよさんと「どやさ」ポーズをした笑顔のツーショットもアップしていました。
そんな馬場園サンが5月23日のFacebookに綴っていたのは「昨日 5月22日は、すー姉(青空須藤さん)の命日でした」と、2023年、45才の若さで急逝した女性漫才コンビ「青空」の須藤理恵さんについてです。「すー姉は阪神ファンやから阪神カラーやね!」と黄色い花が目立つアレンジメントの画像を添えていました。
「青空」のお二人とは読売テレビの深夜の番宣番組でご一緒していた私。女性芸人だけでなく、男性芸人の後輩からも「すー姉」と慕われていた彼女の突然の旅立ちは、私もなかなか受け入れることができなかったのを覚えています。
思えば、前出のシルクさんの「非常階段」時代の相方・ミヤコさん(本名・吉崎勢津子)は1996年、37才の若さで亡くなりました。
“いくくる”さんに負けず劣らず派手な衣装が忘れられない「若井小づえ・みどり」の小づえさん(本名・五十嵐雍子)は1999年、51才で生涯の幕を閉じられました。
そして、漫才ブームを先頭で牽引してきた「ザ・ぼんち」の一時解散後、里見まさとサン(72才)がコンビを組んだ亀山房代さんは2009年、42才の若さで亡くなられました。
いろいろな思いが駆け巡りますが、天国で女子会が開かれていたらいいなぁ……と思います。
今くるよさんが亡くなられたとき、多くの記事で「ふくよかな」と書かれていましたが、晩年はかなりスマートになっておられました。それでも丸顔を強調するショートヘアと笑顔とド派手な衣装がトレードマークで、「どやさ」を言いまくった上方女性芸人の星・今くるよさんのことを私たちは決して忘れないでしょう。
くるよさん、本当にありがとうございました。合掌。
構成/山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!+』(メ〜テレ)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。
※女性セブン2024年6月20日号