殺害された谷名さんの自宅
谷名さんには息子のAさんには見せない一面もあったのだろう。
「俺はどっちの味方とかそういうのではないのですし、十枝内のやったことは許されることでは絶対にありません。ただ、谷名さんは十枝内の会社を辞めた後も何年も十枝内運輸の近辺を探っていた。谷名さんと会っている時に十枝内の会社を潰そうとする執念を感じました。お互いがお互いを強く警戒している状況が続いていて、起こるべくして起きてしまった事件です」(Cさん)
一触即発のような状況が続く中、十枝内容疑者が直接引き金をひくきっかけになった出来事をCさんは知りたいという。殺人容疑の共犯者となった社員の2人が果たした役割も大きいのかもしれない。原子豊容疑者(55)と竹内洋容疑者(45)だ。
「原子はもともとヤクザで入れ墨もいっぱい入っています。覚醒剤でも何度か刑務所に入って出てきて。十枝内は身元を引き受けるような形で、会社に入れたんです。竹内さんは近くの公園で寝泊まりしていたところを十枝内が拾って、住居や仕事を用意するなどして面倒を見ていたんです。
今回の事件は十枝内にしてみれば、谷名さんに殺される前に殺したということかと思います。なぜ踏みとどまれなかったのか、もっと別の方法で解決できなかったのか、悔やまれます」(Cさんの知人)
Cさんらは十枝内容疑者らの裁判でも同様の証言をするつもりだという。