人に甘えるのが苦手で、自分を支えるのは自分しかいないと律してきた安奈。しかし振り返ってみると、命を救ってくれた医師、病気のときに寄り添ってくれた友人、家族のように親身になってくれるマネジャーなど、節目ごとに人に恵まれてきたという。
「人に出会うことでいまの自分がある。これからもまだまだ、たくさんの出会いがあると思います。そのすべてを大事にして感謝し、生きていてよかったと思いつつ最期を迎えたいですね」
生死をさまよい、苦境を乗り越えた経験があるからこそ、いま、心の底から楽しそうに舞台に立つ安奈。芸能活動60周年を迎え、いっそう輝いてみえる。
(了。第1回を読む)
【プロフィール】
安奈淳(あんな・じゅん)/1947年大阪府生まれ。15才で宝塚音楽学校に入学し、1965年に宝塚歌劇団へ入団(51期生)。星組、花組の両方で男役トップスターに就任。『ベルサイユのばら』(1975年)、『ノバ・ボサ・ノバ』(1976年)などで主演を務め、1978年、『風と共に去りぬ』での主演を最後に宝塚を退団。その後、東宝演劇部に所属し、テレビや舞台などに活動の場を広げる。舞台『南太平洋』(1979年)や『王様と私』(1980年)に主演。故・森繁久彌さんの代表作『屋根の上のヴァイオリン弾き』(1980年)にも出演。現在は、歌手としてコンサートやショーなどで活躍。主な著書に『安奈淳スタイル』(ライスプレス)など。
取材・文/上村久留美
※女性セブン2024年6月20日号