パビリオン会場の象徴である「木のリング」(時事通信フォト)

パビリオン会場の象徴である「木のリング」(時事通信フォト)

万博協会の説明の大きな矛盾

 万博協会は今回検出された最大濃度は7%LEL(濃度の値)で、労働安全衛生規則の爆発下限濃度の30%LELの4分の1以下であり、〈継続して工事を実施しております〉とした。

 しかし、この説明には大きな矛盾がある。

 万博協会は3月の爆発事故後、ホームページで〈今後は通常の火気使用作業について、より厳しく5%LELを設定する〉(5月22日)と発表しているのだ。

 廃棄物埋め立て地の安全利用に詳しい環境計画センターの鍵谷司・専任理事が警鐘を鳴らす。

「夢洲1区と2区は、地下は仕切られているが、地表部分で盛り土した部分は繋がっており、メタンガスが横から流れてくる可能性もある。今回2区で判明した7%LELのメタンガスは低濃度ですが、1区から流れてきた場合、2区で濃度が高くなることが考えられる。2区のパビリオンでは火器使用の食事を提供する国もあるという。建物下に換気できる床下ピットや床下排気口を設けるなどの対策がないと、建物床に亀裂等が生じると漏れ出た高濃度のメタンガスに調理場の火が引火して爆発を起こすことがないとも限らない」

 万博協会に聞くと、「夢洲2区は建設残土などで埋め立てられており、地表においては低濃度で危険性は少ないと考えております。引き続き測定分析し、安全対策を徹底します」と答え、府・市の担当課は、鉄道整備事業は地中の工事で、万博の地表部の工事と状況が異なると説明し、「会期中の対応は万博協会が6月中に安全対策を取りまとめる予定」とした。

 安全ばかり強調する姿勢では“次なる事故”のリスクには対応できない。

※週刊ポスト2024年6月21日号

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