元立憲民主党の松原仁・代議士(時事通信フォト)

元立憲民主党の松原仁・代議士(時事通信フォト)

いつも喧嘩を売られる

 他方、蓮舫氏の出馬には、野党からも“冷や水”が浴びせられている。

 5月27日の静岡県知事選の翌日、蓮舫氏が出馬会見で「静岡県民は野党候補を選んだ」と発言すると、国民民主党の榛葉賀津也・幹事長(静岡選出の参院議員)が、「(静岡知事選に当選した)鈴木(康友)さんは自民党推薦候補とも競ったが、共産党公認候補とも戦った」と反論。さらに、「鈴木さんは『人生最後の勝負』だと言って退路を断った。蓮舫さんも退路を断ってやるのかなと。負けたら『衆院選に出ます』なんてことはないと思うが」と皮肉ったのだ。

「蓮舫氏と榛葉氏は旧民進党時代から対立し、民進党分裂後の2019年参院選では榛葉氏の静岡選挙区に立憲民主党が徳川宗家当主を擁立。蓮舫氏は“榛葉を落とせ”と応援を展開した。蓮舫氏に落とされそうになった榛葉氏が、そのことを忘れるはずがない」(立憲民主のベテラン議員)

 さらに蓮舫氏の出馬に複雑な視線を送るのが、元立憲民主党の松原仁・代議士だ。松原氏は次の総選挙で東京新26区からの出馬を希望していたが、公認が得られずに離党した。「東京26区は蓮舫が参院からの鞍替えを目指していた。だから、都連は蓮舫に選挙区を空けるために松原氏の公認を認めなかった」(同前)と見られている。

 松原氏にすれば、蓮舫氏が衆院選ではなく一転、都知事選に出馬したことに、“だったらなぜ”という気持ちではないか。松原氏が語る。

「前の参院選では支援者を紹介したり地元での宣伝カーの運行を管理したりするなど蓮舫さんを支援しました。私の選挙区の東京3区は区割り変更で新3区と新26区に分割される。自宅は26区にあり、都議時代の選挙区も26区側になる。そこで立憲民主の東京都連に26区からの出馬を頼みに頼んだが、理由も明らかにされないまま決まらなかった。だから離党したのです。蓮舫さんは、筋は通す。信念の人です。今は都知事選勝利に集中している。負けたら衆院選、ましてや新26区のことなどは考えていないはずです」

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