売上シェア1位のセクシャルアイテムメーカー・TENGAが、膨大な知見をもとにした「性の参考書」を発売した。5万字を超えるテキストに書かれたポイントを、婦人科医と精神科医が読み解いた。
セルフプレジャーアイテムのイメージが強いTENGAだが、企業として長年にわたり「性に関する悩み」と向き合ってきた。「ネット上に溢れる情報は不正確なものも多く、参考になる情報源が意外に少ない。そこで現代にマッチした参考書が必要だと考えるに至りました」と同社広報担当者は明かす。
身体の医学的な解説をカバーしつつ、パートナーと対等かつお互いを大切にできる男女の営みを真剣に考える──そんな思いを込めて作成されたのが、『TENGAがまじめに作ったセックスガイド』(電子マガジン=税込1500円)だ。6月4日に発売されたクッション「TRAINING TETRA(トレーニングテトラ)」の購入者には、特典としてこのガイドが無料でプレゼントされる。
ガイドが最もページを割いて取り上げるのは、行為に至る前の「心構え」。とりわけ「性的同意」の大切さを説く。
〈相手の心の中は読むことができません〉〈同意なく性的な行動をすることは、相手を傷つけることに繋がってしまいます〉〈相手の体に触れたいと思った時は毎回相手に聞く方が望ましいです〉(ガイドより。以下同)
この説明に頷くのは、産婦人科医で咲江レディスクリニック院長の丹羽咲江氏だ。
「“嫌よ嫌よも好きのうち”は男性の勝手な思い込みでしかない。『NO』と言えずに行為に至り、女性が傷つくのはよくあること。なあなあではなく、ガイドが示すように〈手を繋ぎたい〉〈キスしたい〉など言葉にして確認してください」
ガイドでは、重要なのは〈テクニックでもムード作りでもなく、「安心感」〉と強調する。精神科医の高木希奈氏が言う。
「不安を抱えた状態では、幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンや、快感ホルモンと呼ばれるエンドルフィンは分泌されません。安心感が重要というのは医学的にも正しい」