田中さんが所持していたスマホ

田中さんが所持していたスマホ

事故現場は「いつも父が通らない道」

 さらに事故現場にもいくつもの違和感を感じたという。

「事故現場は家の近くなのですが、いつも父が通らない道なんです。警察の捜査などから聞いているのは、父は飲食店を午前2時前に出ています。そして近くのコンビニを出たのが2時過ぎです。ここから、自宅までは車で15分ほどなのですが、事故が起きたのは5時ごろだというんです。2時から5時までの3時間、何をしていたんでしょうか。空白の時間があるんです」(同)

 確かに飲食店から事故現場までは6.5km、事故現場から自宅までは1.3kmほどしか離れていない。

「そして、通行人が父の事故現場を発見したのが午前6時です。事故からは1時間ほどしか経っておらず車はすごく暖かかったといいます。しかし警察によると、すでに父の遺体は死後硬直していたんです」(同)

 田中さんの妻もこう話す。

「朝8時頃病院に行って、遺体と対面しました。私は介護の仕事をしているのですが、旦那の遺体は死後4、5時間以上経っている死後硬直でした。事故があった5時からたった3時間で、こんな硬くはならないとは思いました」

 そして最後に、こう話した。

「私と子供達を一番に考えてくれていた旦那でした。運動会とか子供の行事には必ず来てくれて。どうしても仕事で休めないって時以外は全て子供と私優先で動いてくれる人でした。旦那が好きだった、ダイドーの缶コーヒーをいつも仏壇にあげています。缶コーヒーはこれしか飲まなかったから。旦那の身に何があったのか知りたいです」(田中さんの妻)

 田中さんの死亡について、青森県警に問い合わせると「令和5年5月6日、七戸警察署において普通乗用自動車の単独死亡事故として事案対応しております。ただ、色々なご質問をして頂いたんですけど、どの内容も個別案件でありますので、お答えを差し控えさせて頂きます」との回答だった。

 田中さんは単に事故で亡くなったのか、それとも遺族が言うように事故ではないのか。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏に話を聞いた。

「当初事故として処理していたのだと思いますが、警察は“不審死”として扱うべきでしょう。

携帯電話の中からSD、SIMカードが無くなっていても発信着信記録を警察は持っていますし、メールや無料通信アプリも復元できると思います。ただ、破棄処分してしまった自動車については、誰かが乗っていたかそうでないかということを調べるのはもはや難しいと思います。しかし、事故現場に来るまでに、どこから車がスタートして、最初から1人だったのか途中で2人になったのかなど、防犯カメラのリレー捜査を行うことで調べることもできます。

 今後、事件だったと見直し容疑者が判明する可能性もあると思います」

 その真相が注目される。

(了。前編から読む)

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