「若年層を含む幅広い層の多くの方に、皇室に関する発信をご覧いただきたい」──4月1日の定例記者会見で宮内庁の黒田武一郎次長はそう意気込みを述べた。宮内庁は同日から皇室の情報を発信する公式インスタグラムの運用を開始。フォロワー数は現在143万人に上る。
皇室ジャーナリストの神田秀一氏はこう話す。
「宮内庁が若者の皇室への関心の低さに危機感を抱いてのことでしょう。また、2022年11月の記者会見で、眞子さんの結婚についての過熱報道を念頭に置いた質問に秋篠宮さまが、“正確な情報をタイムリーに出していくことが必要”“海外の王室はウェブサイトとSNSを組み合わせて使っている”といった言及をされたことも背景にあるのではないでしょうか」
ただ、開設後に投稿されたのは天皇皇后、愛子さまの画像に限られており、秋篠宮家の画像は現時点で投稿されていない。
「若年層へのアピールであれば、関心の高い佳子さまの写真を載せないのはもったいない。5月に佳子さまがギリシャを公式訪問した際、ギリシャ語を交えた交流などが現地メディアから絶賛されました。国際的な宣伝という点でも、佳子さまの写真は重要だと思います」(ある皇室ウオッチャー)
ではなぜ、佳子さまを含む秋篠宮家については取り上げないのか。宮内庁担当記者が言う。
「第一に広報室の人手不足があると思いますが、紀子さまが情報開示に消極的だと言われています。2019年に悠仁さまの教室の机の上に刃物が置かれていた事件以降、紀子さまは子供たちの身を一層案じられるようになったと言われています。そのために佳子さまについても発信を控えられているのではないでしょうか」
宮内庁は、こう回答する。
「今年4月からインスタグラムによる情報発信を開始したところですが、その内容については、まずは、天皇皇后両陛下のご活動を中心に発信を行なうこととしたところです。今後については、情報発信等の状況を分析するなどし、改めて検討していく予定です」(総務課報道室)
開かれた皇室をめぐる試行錯誤は続く。
※週刊ポスト2024年6月28日・7月5日号