《黒柳徹子名義(ユニセフ親善大使)で67万ドルがガザに送金されているのを発見》。6月上旬、X(旧ツイッター)に投稿された黒柳徹子(90才)に関するポストが注目を集めた。投稿は一気に拡散され「さすが黒柳さん」「黙って寄付するあたりが素晴らしい」など好意的なコメントが相次いだ。
ガザとは、イスラエル軍とイスラム組織ハマスとの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザ地区のこと。黒柳は昨年12月、親善大使を務めるユニセフを通じて集まった日本円にして1億円もの大金を、同地の子供たちの支援を目的に寄付したようだった。
「ユニセフを通じた寄付はホームページから誰でも確認できますが、黒柳さんがまったく宣伝しなかったこともあり、Xユーザーが指摘するまで、半年もの間、誰にも気づかれなかった。著名人が寄付をする場合、SNSやマスコミを通じて公表するケースが多いのですが、彼女にとって世間へのアピールなどどうでもいいこと。寄付行為とは、黒柳さんの人生そのものですから」(芸能関係者)
1984年に、アジア人として初めてユニセフ親善大使に就任した黒柳。きっかけは1981年に刊行した世界的ベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』だった。黒柳の小学生時代を描いた自伝的小説で、黒柳が子供ながらに感じた戦争に対する不安や恐怖も綴られている。同作が当時のユニセフ事務局長の目に触れたことが親善大使就任につながった。以来、彼女は世界各地の紛争地域を視察し、困難な状況にある子供たちに思いを寄せてきた。
「黒柳さんは、就任後初めて訪れたタンザニアで生涯忘れられない経験をしたといいます。水や食料がなく栄養失調により脳の成長が止まった小さな男の子に『ごめんね、何もしてあげられなくて』と話しかけると、その子は何かお礼をしたいと思ったのか、泥水をすくって黒柳さんの手の中に入れたんです。そのとき黒柳さんは、言葉が通じず、成長が止まっていても思いは伝わると感じたそうです。
また、村長が話した『子供は何も言わず、周りの大人を信頼して死んでいく。そのことを忘れないでください』という言葉も心に焼き付いているといいます」(テレビ局関係者)
紛争が続く中東での活動にも力を入れてきた黒柳。2019年には、レバノンにあるパレスチナの難民キャンプを訪問したこともある。
連日イスラエル側から空爆が繰り返され、子供を含む多くの犠牲者が出ているガザ地区の惨状に、彼女も胸を痛めているのだろう。
今回の寄付について黒柳本人に「思い」を聞いたところ、事務所を通じて、次のように回答した。
「ユニセフ親善大使に就任して以降、本当に多くの皆さまから子供たちのための募金をお送りいただいております。皆さまへのご報告の意味も込めて、毎年私の名前で送金しており、2023年はユニセフと相談の上、寄付先をガザに決めました」