「この世の地獄がここにある」──娘の田村瑠奈被告(30)に「見て」と言われ浴室を覗いた母は、皮を剥がされた被害者の頭部を見た瞬間についてそう述べた。
札幌・ススキノのホテルで昨年7月、男性が殺害され、頭部を切断された事件で起訴された親子3人のうち、母親の浩子被告(61)の初公判が6月4日に開かれた。
裁判を傍聴したジャーナリストの高橋ユキ氏が語る。
「公判では一家の歪な関係性に注目が集まりました。瑠奈被告も両親を奴隷扱いし、父・修被告(60)を『ドライバーさん』、浩子被告は『彼女』と呼び、“置いた物の向きが違っていた”など些細なことで両親を責めて、浩子被告に『熟女系風俗にでも売り飛ばせばいい。とっとと売れや』など怒鳴っていた。『奴隷の立場をわきまえて、無駄なものに金を使うな』という誓約書まで書かせていたことも明らかになりました。
しかし、両親は瑠奈被告を『お嬢さん』と呼び、敬語を使い、娘を叱ることはなかった。修被告は精神科医でしたが、こうした言動や妄想に伴う奇声行為などを否定することなく、細心の注意を払って接していたようです」