80~90年代に東西で躍進した上沼恵美子

80~90年代に東西で躍進した上沼恵美子

先輩の男性芸人が求める役割をこなした「えらいよ、頑張ってるよ」ねぎらいに涙

 古くは安土桃山時代の女芸者・出雲阿国などもいるが、戦前に活躍した最も有名な女芸人のひとりがミスワカナだ。

「夫の玉松一郎さんとのコンビで夫婦漫才を披露し、戦時中は中国大陸を慰問訪問しました。軽妙なしゃべりと歌のうまさで人気を博した“伝説の女芸人”として知られ、NHKの連続テレビ小説『わろてんか』(2017年)で広瀬アリスさんが演じた女性芸人のモデルになりました」(ラリーさん・以下同)

 終戦後、ミヤコ蝶々・南都雄二、鳳啓助・京唄子の夫婦漫才や、海原お浜・小浜、内海桂子・好江の女性漫才が敗戦国日本を明るくした。一方で、ラリーさんは「戦後しばらくの間、女芸人は圧倒的なマイノリティーでした」と言う。転機を迎えたのは1980年。フジテレビの『THE MANZAI』を契機に漫才ブームが巻き起こり、関西の女性漫才師の人気と実力が全国に知れ渡った。

「互いの体形や容姿をいじり合う今いくよ・くるよや、アイドルや芸能人をこきおろす春やすこ・けいこらが全国区になりました。“自虐ネタ”と“毒舌ネタ”といういまも女性芸人がよく使う2つの笑いの手法が、この時点で確立されていました」

 1980年代後半から1990年代にかけては山田邦子(64才)、上沼恵美子(69才)が東西で躍進し、野沢直子(61才)、久本雅美(65才)、清水ミチコ(64才)らもお茶の間の人気者になった。女芸人がテレビのバラエティー番組に続々と進出する中、西澤さんが注目するのは1996年にスタートした『めちゃ2イケてるッ!』(フジテレビ系)に出演したオアシズ(光浦靖子・大久保佳代子)の2人だ。

「バラエティー番組において、“ブスいじり”をきちんとした職業にしたのはオアシズが最初ではないでしょうか。実際、『めちゃイケ』の総合演出担当者は『ブスだからどんな卑屈なことを言ってもいいという状況を逆手に取り、商売にしたのはオアシズが最初』と語っていました。光浦さんは東京外語大、大久保さんは千葉大と2人とも高学歴で弁が立ち、自分たちに求められている役割を鋭く察知し、“ブスキャラ”として自虐的に振る舞うことでブスいじりに変革をもたらしました」(西澤さん)

関連記事

トピックス

大谷翔平
【大谷翔平“グラウンド外での伝説”】羽生結弦とはLINE友達、パリピ体質で嫌いなタイプは“テンションが低いやつ”、「17番のロッカー」に直筆サインで一騒動 
女性セブン
『おしゃれクリップ』(日本テレビ系)
《放送50周年で歴代MC集結》『おしゃれ』シリーズが昭和から令和まで愛され続ける理由 
NEWSポストセブン
3度目の逮捕となった羽賀研二
《芸能人とヤクザの黒い交際》「沖縄のドン」から追放された羽賀研二容疑者と弘道会幹部の20年の蜜月 「幹部から4億円を借りていた」
NEWSポストセブン
寄木細工のイヤリングと髪留めが「佳子さま売れ」に(時事通信フォト)
佳子さまのイヤリングが「おしゃれ!」でまたも注文殺到 訪問先の特産品着用され想起される美智子さまの心配り
NEWSポストセブン
ホームランを放ち50-50を達成した大谷翔平(写真/AP/AFLO)
大谷翔平の“胃袋伝説”「高校時代のノルマは“ご飯どんぶり13杯”」「ラーメン店でラーメン食べず」「WBCでは“ゆでたまご16個”」 
女性セブン
自民党の新総裁選に選出された石破茂氏(Xより)
《石破茂首相が爆誕へ》苦しい下積み時代にアイドルから学んだこと「自分の意見に興味を持ってもらえるきっかけになる」
NEWSポストセブン
内村光良のデビュー当時を知る共演者が振り返る
【『内村プロデュース』が19年ぶり復活】内村光良の「静かな革命」 デビュー当時を知る共演者が明かしたコント王の原点
週刊ポスト
歌手・タレントの堀ちえみ(左)と俳優の風間杜夫(右)
【対談・風間杜夫×堀ちえみ】人気絶頂期に撮影された名作『スチュワーデス物語』の裏側「相手が16才の女の子だろうと気を抜けないと思った」 
女性セブン
若林豪さんにインタビュー
『旅サラダ』卒業の神田正輝が盟友・若林豪に明かしていた「体調」「パートナー女性」「沙也加さんへの想い」《サスペンスドラマ『赤い霊柩車』で共演30年》
NEWSポストセブン
石破茂氏の美人妻(撮影/浅野剛)
《新総裁》石破茂氏が一目惚れした美人妻が語っていた「夫婦のなれ初め」最初のプロポーズは断った
NEWSポストセブン
3年前に出所したばかりだった
《呼び名はチビちゃん》羽賀研二とそろって逮捕された16歳年下元妻の正体、メロメロで交際0日婚「会えていません」の嘘
NEWSポストセブン
反トランプを掲げる女優“エムラタ”が過激衣装で注目を集める(本人のinstagramより)
《極小ビキニで路上へ》「男へのアピールだ」過激衣装で賛否両論の女優エミリー・ラタコウスキーが「フェミニスト」を自称する理由 “反トランプ思想”もファッションで表現、ブランドからは高い注目
NEWSポストセブン