6月27日の昼、東京・千代田区のホテルニューオータニ「芙蓉の間」にダークスーツ姿の男性が次々に入っていく──行なわれていたのは世耕弘成・元自民党参院幹事長(和歌山選挙区)の政治資金パーティーだ。
一般的な政治資金パーティーでは、会場入り口に議員の名前を掲げた看板と長テーブルを並べた受付が設けられ、秘書ら関係者たちが出席者を出迎える光景がみられる。
だが、世耕氏のパーティーはまるで違っていた。会場の入り口には看板もなく、〈写真・動画の撮影及び録音はご遠慮下さい〉と書かれた張り紙が違和感を強調していた。中で何が行なわれているのか窺えない、まるで“秘密パーティー”のようだ。
世耕氏といえば、「安倍派5人衆」と呼ばれた安倍派最高幹部の1人で、同派の裏金問題をめぐって国会の政治倫理審査会に出席し、同派パーティーのキックバックについて質問されても「記憶にない」と繰り返した人物だ。その後、裏金問題の処分者の中では同派座長の塩谷立・代議士と並んで最も重い「離党勧告」処分を受け、4月に自民党離党に追い込まれた。
さらに、世耕氏が理事長を務める近畿大学でも、教職員から理事長辞任を求める声が上がり、オンライン署名活動が展開。6月20日には同大教授らが会見で、5万筆以上の署名が集まったが理事長らは署名を受け取らなかった、と批判したばかりだ。そんな折に政治資金パーティーを開催したわけである。