国内

「女性従業員が泥酔客の腕をかかえて店に連れ込む」「カードを盗んで30分で107万円決済」大阪・北新地「昏睡強盗中国人バー」の狡猾な手口

容疑者が経営していた「Princess」が入るビル

董容疑者が経営していた「Princess」が入るビル

 6月22日、大阪・北新地のバーで客に酒を飲ませて昏睡させ現金を奪ったなどとして、大阪府警はバー『Monica』の経営者で中国籍・董春雨容疑者(40)を昏睡強盗などの疑いで、20~50代の従業員を電子計算機使用詐欺などの疑いで逮捕した。客を酔わせ、その隙に現金を奪う昏睡強盗という手口。その狡猾な犯行の実態に迫った。事件について全国紙社会部記者が解説する。

「容疑者らは40代の男性客に強い酒を飲ませて昏睡させ、財布から現金6万円を奪ったうえ、クレジットカードを勝手に使用して約8万円をだましとった疑いが持たれています。また、別の女性従業員らも董容疑者と共謀し、去年12月に同様の手口の昏睡強盗未遂事件に関わった疑いが持たれている。

 このように董容疑者らは経営する複数の店舗で似たような手口で何件もの昏睡強盗を行なっていた疑いが持たれていて、この2年で警察に寄せられた相談はおよそ60件、被害総額は2000万円を超えるとみられている。府警は組織的な犯行とみて捜査しています」

 大阪市は2018年から客引き禁止条例を制定している。大阪を代表する高級歓楽街・北新地には高級クラブが立ち並ぶが、そんなエリアも指導員が巡回する「重点地区」に指定されている。しかし、同エリアではコロナ禍で減った客足を取り戻そうと客引きに頼る店が目立つようになっていた。

 そうしたなか、大阪市と天満署の要請、そして北新地社交料飲協会からの委託を受けて4年前から北新地の防犯パトロールをするのはアンディ南野氏だ。アンディ氏もこの店で被害に遭った人から話を聞いていたという。

「董容疑者が経営していた店は『Monica』のほかに、少なくとももう一店舗『Princess』という店があって、僕らはこの2つの店でぼったくりや昏睡強盗の被害にあった10人以上から話を聞いていました。たとえばカードで支払いをしようとすると、『エラーが出て使えないから現金で払ってくれ』と言われ、現金で支払ったら翌月にカードの請求もきている。二重取りですね。

 こういった被害が相次いでいて、警察にもずいぶん前から相談していて、昨年末から年始にかけてようやく『Princess』の入り口に監視カメラを設置してもらったほどです」

 パトロールが行われるのは21時~24時が定時。最近はぼったくり被害が相次いでいるため、27時頃までパトロールすることもあるという。

 報道によると、容疑者らは店の近くで客に声をかけ、店に勧誘。来た客に強い酒を飲ませ、財布から金やキャッシュカードを抜き取る──という手口だが、被害者から相談を受けてきたアンディ南野氏によると、より組織的な関与があったことも疑われる。

「路上で中国人キャッチが声をかけるところは同じなのですが、いつもすぐに『Monica』に連れ込むわけではなく、近隣にある3000円で飲み放題といった別の安価な店に案内するんですよ。そこで、女の子が煽って客に酒を飲ませ続け、泥酔させた状態で、2軒目の『Monica』や『Princess』に連れ込むんです。

 泥酔状態で女性に抱きかかえられて連れ込まれる人も珍しくない。1軒目と違って飲み放題なんかじゃなくて、自分のドリンク1杯、女性のショット1杯の計2杯で数万円も請求するようなぼったくり会計です」(アンディ南野氏、以下同)

 アンディ南野氏が提供してくれた動画には足下がおぼつかない男性が、従業員とみられる中国人女性に腕をつかまれ『Princess』に連れ込まれる様子が映っていた。

関連記事

トピックス

精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン