6月25日に放送された音楽番組『うたコン 越路吹雪生誕100年 日本で愛されたシャンソン』(NHK)で、シャンソン歌手のクミコ(69)が越路吹雪さんの代表曲『サン・トワ・マミー』を披露した。
今年はシャンソンの母国、フランスでオリンピックが開催され、タカラジェンヌから“シャンソン界の女王”となった伝説の歌手・越路さんの生誕100年を迎えるシャンソンイヤー。桑田佳祐が4月のライブ「JAZZと歌謡曲とシャンソンの夕べ」で越路さんのレパートリーから『サン・トワ・マミー』、『愛の讃歌』、『ラストダンスは私に』の3曲を披露し、越路さんを敬愛する志穂美悦子(68)が「鬼無里まり」名義でシャンソン歌手としてデビューしたことも話題を呼んだ。
戦中・戦後にかけて宝塚歌劇団の男役スターとして活躍した越路さんは、1951年にオペラ『モルガンお雪』で日本のミュージカル女優第一号となり、宝塚退団後は作詞家兼マネージャーの岩谷時子さんとタッグを組んで活躍。エディット・ピアフの名曲『愛の讃歌』の日本語ヴァージョンを筆頭に数々の名曲を日本に広めた。
戦後最大のエンターテイナーと呼ばれた越路さんが、がんのために56歳の若さで急逝したのは1980年。クミコはその2年後、導かれるようにして東京・銀座にあったシャンソン喫茶「銀巴里」の門を叩き、オーディションに合格してステージに立った。
『うたコン』には唯一シャンソン歌手として出演し「『サン・トワ・マミー』については「自分が人前で一番最初に歌ったシャンソン。ときどきレコーディングしなおしたりするんですけど、今もずっと寄り添ってくれる歌です」とコメントした。
6月30日には、BS朝日で『ニッポンシャンソン~越路吹雪・銀巴里…歌い継がれる愛の讃歌~』(午後9時)が放送され、クミコをはじめ俳優の松村雄基や松田美由紀、安蘭けいらが出演する。故・松田優作さんからシャンソンを歌うことを勧められたという松田は、涙を流しながら熱唱した。
クミコは7月10日に越路さんの代表曲『愛の讃歌』などを新録したニューアルバム『私の好きなシャンソンVol.2~シャンソンティックな歌たち~』(コロンビアミュージック)を発売する。