本誌・週刊ポストが元アパレル勤務の40代女性との“不倫”を報じた後、その女性との“半同棲”報道まで飛び出した歌舞伎俳優・中村芝翫(58)。妻の三田寛子が2人の“愛の巣”を訪れ、「しっかりしなさいよ!」などと大きな声を出していたことも報じられている。そんな芝翫は今、歌舞伎界の将来を支える立場に就いている。梨園関係者は言う。
「芝翫さんは実は、昨年から国立劇場養成所の研修講師を務めているのです」
国立劇場養成所とは、国立劇場が運営する伝統芸能継承者の養成所だ。歌舞伎俳優といえば世襲のイメージが強いが、養成所は試験に合格すれば誰でも歌舞伎界の重鎮から指導を受けられ、「歌舞伎俳優」への道が拓ける。別の梨園関係者が言う。
「以前は養成所出身者といえば、御曹司ら主演を引き立てるための脇役である“三階さん”が多かったのですが、近年では喜多村緑郎(55)など、養成所出身者で主役を張る役者も出てきた。また歌舞伎役者の廃業やなり手不足があるなか、次代の舞台を担う若手の育成は急務で、その指導者である『研修講師』は梨園でもかなり重要なポジションです」
この梨園関係者はこう続ける。
「現在、養成所は主任講師を中村萬壽さん(69)が務め、主に女形の大役を指導。立役は研修講師の市川團蔵さん(73)が見ていました。しかし團蔵さんが高齢で後継を探すなか、芝居に熱心で後輩や弟子からも人望が厚い芝翫さんに白羽の矢が立った。萬壽さんのプッシュもあり、芝翫さんは昨年10月ごろから研修講師として養成所に携わっていたのです。
歌舞伎界の人材不足もあるなかで、芝翫さんクラスの格の人が指導者を務めていることは養成所に研修生を勧誘するのにいい材料にもなりますし、良きタイミングでそれをアピールしようとしていたようです。しかし、度重なる不倫騒動により、梨園内でもさすがに大々的に宣伝するのに後ろ向きな声が上がっているそうです」
その背景について、演芸記者はこう話す。
「色事は芸の肥やし、なんて言われていたのは昔のこと。ましてや国立養成所の指導者といえば、“梨園の倫理”の通用しない一般家庭の子供を預かる身です。今回の件が収束しないままに、芝翫さんが講師を務めていることをアピールすれば、批判が殺到するのは目に見えています」
日本芸術文化振興会(国立劇場養成所)に聞くと、「講師については、毎年公表はしておりません」と答えた。
不倫の代償は歌舞伎界の未来にも影響しそうだ。
※週刊ポスト2024年7月12日号