2009年の民主党への政権交代(時事通信フォト)
元民主党代議士の嶋聡氏はこう見る。
「もし泉総理が誕生するのであれば、本来は野田さんや玄葉さんなど総理や閣僚を経験した議員が全力でサポートする体制が必要になるが、野田さんも玄葉さんもまだまだ意欲満々だから、そんな体制にはならないでしょう。それが立憲民主のよくないところです」
この党は大きな勘違いをしている。
国民の政権交代への声が高まっていると言っても、2009年の政権交代時と現在の状況はまるで違う。当時は曲がりなりにも国民の間に民主党政権への期待があったが、今は立憲民主党政権への期待はない。あるのは自民党政治への強烈な不信感だ。
それに気づこうとせずに、かつての民主党政権で国民を失望させた面々がまたぞろしゃしゃり出てくれば、国民の政治不信は一層強まる。それこそが、国民から見放されたはずの自民党を利することにもなる。
この不毛な政治状況に元民主党代議士の五十嵐文彦氏がこう語る。
「能力のある議員、先が見通せる議員は与党にも野党にもいるが、トップになれない。本当に日本をよくしようと思ったら、与野党含めて全部ガラガラポンしたほうがいい」
正鵠を射た指摘だろう。
(了。第1回から読む)
※週刊ポスト2024年7月12日号