隠すより現る、ということなのだろうか。2024年4月、栃木県那須町の河川敷で会社役員夫婦の遺体が見つかった事件で、7人目の容疑者として逮捕された宝島真奈美容疑者(31才)は、逮捕前に受けていたインタビューで、親を喪った悲しみよりも苛立ちを見せていた。臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、真奈美容疑者のインタビューを分析する。
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4月16日、栃木県那須町の河川敷で、上野で飲食店を経営する夫婦が焼損遺体で発見されたという衝撃の事件。被害者の宝島龍太郎さん(55才)と妻の幸子さん(56才)夫妻の長女、真奈美容疑者が6月27日に逮捕された。すでに逮捕された実行犯や共犯者計6人の中には、事件の黒幕として真奈美容疑者の内縁の夫も含まれている。
宝島さん夫婦の遺体が発見された翌日17日、自宅前で「めざまし8」(フジテレビ系)の取材に応じている真奈美容疑者のインタビュー映像が公開された。21分の映像から見えてくる真奈美容疑者の心理を探ってみる。
顔出しNGでインタビューに応じたという真奈美容疑者。映像に映るのはお腹から下だけ。服装は白っぽいルームパンツにグレーのTシャツ、ピンクのサンダル。愛用しているのかルームパンツの膝は伸びていた。
映像から聞こえる真奈美容疑者の声は、マスコミへの不快感と警戒感を露わしにしていた。「もうみんな同じことを聞くんですけど。いつ連絡されたか、いつ会ったのか、それ何のために聞くんですか」と問いかける。その発言の抑揚から、取材されることへの怒りがあるようだ。事件については「本当に何も分かんないです」「答えられることがないんです」とぶっきらぼうな印象だ。
この時には発見された遺体のうち一体が父であることをニュースで知っていた真奈美容疑者。彼女は妻の幸子さんの連れ子で、宝島さんと血のつながりはなかった。かといって家族として過ごした継父が遺体で発見されたのだ。動揺するなり悲しむなり、感情が動くのが普通の感覚だろう。だが彼女の声や身体の動きから動揺や不安、心配といったものは感じられない。気にしているのは警察の動きばかりで、行方不明の母親の安否も「可能性は高いということですよね」と淡々と言うだけで、心配している風もない。