逮捕直前に見せていた“異変”
第2回公判には、父親の精神科医・田村修被告(60)も弁護側の証人として出廷し、その証言から新たな事実も見えてきた。
事件後、夫婦は早い段階から警察の尾行に気づいていた。最初にその気配に気づいたのは、何事にも研究熱心な妻の浩子被告だった。
弁護士による「近くまで警察がきているのはいつ知った?」との質問に、修被告は次のように答えた。
「浩子との会話で、警察に尾行されているとか、(自宅横の)ゴミステーションで普段と違う様子の人がいたのでゴミを持って行っているかも、と(事件の)直後に聞いたので、日をおかずに何かあるんだなと、そういう認識でいました」
こうした供述を聞くと、前出のケーキショップ店主の証言が気になってくる。
「いつも奥様はメガネをかけていらっしゃるんですけど、お2人は逮捕される3日ほど前にも来店してくれましたよ。その日(逮捕直前)はメガネをしてなくて、誰だろうって始めは思ったんですけど、お声を聞いているうちに、あ、田村さんか、と分かった」
警察の監視の目に晒されていることを知った浩子被告は、せめてもの変装の意味で、メガネをかけずに行動していたのか……。今後の公判の中で、明らかになるのかもしれない。
■取材/文:江波旬