2023年7月に札幌市の繁華街ススキノのホテルで男性会社員(当時62)の頭部を切断された遺体が見つかり、親子3人が逮捕された事件。死体遺棄ほう助と死体損壊ほう助の罪に問われている母親の無職・田村浩子被告(61)の第2回公判が、7月1日に札幌地裁で開かれた。世間の注目を集める大事件の被告でありながら、過去の写真もまったく報じられないなど謎に包まれた浩子被告の“人となり”に迫った。
家族の住まいは、札幌の繁華街から少し離れた閑静な住宅街にある。家主を失った2階建てには、今も「立入禁止」の規制線。しかし、その黄色いテープがなければ、持ち帰った被害者の頭部を毀損するといった凄惨な事件の現場であることを、知ることはできない。
郵便受けも郵便物が溢れているようなことはない。近隣住民は次のように話す。
「定期的に警察の関係者が来て、配達されてくる郵便物を押収しているようです。こないだちらっと見えたのですが、今でも修被告宛てに、北海道の医師会から、総会の案内状なども届いていましたね」
母親の浩子被告は植物の世話などを趣味としており、家の前には今も複数のプランターが捨て置かれている。植物の種類は定かではないが、葉を落とし茎だけが残ったものや、雑草で覆われたプランターも多い。ただ、主人を失っても健気に花を咲かせている草花もある。
別の住民は、浩子被告について次のように語る。
「草花の手入れなど、とても研究熱心な方でした。草花だけじゃなくて、昆虫の飼育についても熱心に研究していましたよ。ご近所にアケビを栽培している方がいらっしゃって、それをいつも熱心に見ていました。アケビにはアケビコノハっていうちょっと変わった姿の蛾がつくんですけど、その幼虫を持ち帰って、成虫にまで育て上げたようで、わざわざ見せに来ました」
夫婦仲はとても良く、2人で出かけることも度々だった。近所に行きつけの店も多い。そのひとつ、夫婦が10年以上通っていたというケーキショップの主人の話。
「うちのケーキをすごく気に入ってくれていたようで、奥さんは来るたびにレシピなどについて詳しく質問してくるんですよ。従業員が困ってしまうほど、熱心に聞いてくることもありましたね。だから、お相手はいつも私がするようにしてました」
何事にも研究熱心な浩子被告。興味の対象への執着は、他人からは少し異常に感じられるところもあったようだ。