スポーツ

元横綱・白鵬の宮城野親方、“部屋再興計画”が崩壊危機 弟子4人が新たに引退し、序ノ口まで番付を落とした炎鵬は年寄株が襲名できない崖っぷち

難局は続く(左から炎鵬、宮城野親方)

旧宮城野部屋の難局は続く(左から炎鵬、宮城野親方)

 元横綱・白鵬の宮城野親方が率いてきた宮城野部屋だが、弟子の北青鵬(引退)の暴力事件により閉鎖となり、3月場所後に同じ一門の伊勢ヶ濱部屋へ親方・力士らが転籍。その後も難局が続き、7月場所を前に“崩壊危機”を迎えているとの懸念の声もあがっている。

 転籍前の宮城野部屋には所属力士が20人いたが、転籍時点で1人が引退。その後の5月場所では残り19人が番付に載っていたが、そのうち10人(宝香鵬、大谷、千鵬、絢雄、雷鵬、川副、竹葉、竹丸、錦織、炎鵬)が休場する事態となった。相撲担当記者が言う。

「古参力士はじめ、宮城野部屋所属だった多くの力士が引退の意向といわれていた。実際、5月場所後に宝香鵬、大谷、千鵬、竹丸と4人の力士が引退した。場所中も伊勢ヶ濱部屋で生活をしておらず、引退の意向だったという。4人のなかでもとくに宝香鵬は、白鵬の現役時代から付け人をしており、白鵬からの信頼も絶大だった古参力士。母がモンゴル人の千鵬、日大とのパイプで獲得した大谷など、いずれも白鵬を慕って入門した力士ばかり。伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)の忠告を受け、白鵬は弟子たちの実家へ挨拶に回ったが、引き留めることはできなかった」

部屋復活を信じる力士たちも

 旧宮城野部屋の力士は15人に減ったことになる。相撲担当記者が続ける。

「もともと伊勢ヶ濱部屋所属の尊富士と日大の同期で、ケガで西序二段23枚目まで落ちた川副は再起に懸ける方向だし、5月場所は新型コロナに感染して中日から途中休場した伯桜鵬も、千秋楽に再出場して幕下との入れ替え戦で勝利して十両を守った。

 3月場所に幕下最下位格で初土俵を踏んだ松井(鳥取城北高)は宮城野部屋に入門した直後に事件が起きたが、玉垣親方(元小結・智乃花)が師匠代行となった同場所で5勝2敗と勝ち越し、3月場所が前相撲だったモンゴル人力士の聖白鵬も5月場所に6勝1敗で序ノ口の優勝決定戦(敗退)までコマを進めるなど、部屋に力士が溢れかえる過酷な環境でも宮城野部屋復活を信じて土俵に上がる力士もいる」

 ただ、心配されるのが昨年7月場所から全休が続いている炎鵬だという。

「次の7月場所では西序ノ口13枚目まで番付を落とすことになった。三賞受賞経験者の序ノ口転落は3人目。十両だった昨年5月場所で脊髄損傷の大けがを負って寝たきりの状態での長期入院となった。リハビリを経て土俵に立つところまではきたが、本格的な稽古もできない状態だ。

 石浦(現・間垣親方)とともに旧宮城野部屋の小兵力士として活躍したが、石浦も引退して部屋付き親方となっている。炎鵬も引退したいところだが、協会に残るための年寄株襲名の条件として『最高位が小結以上、幕内通算在位20場所以上、関取(十両以上)通算在位30場所以上』という規定があり、最高位が東前頭4枚目で、幕内在位は9場所という炎鵬は満たしていない。関取在位も29場所と、規定に1場所足りない状況です」(前出・相撲担当記者)

関連キーワード

関連記事

トピックス

幕内優勝力士に贈られる福島県知事賞で米1トンが
「令和のコメ不足」の最中でも“優勝したら米1トン”! 大相撲優勝力士に贈られる副賞のコメが消費される驚異のスピード
NEWSポストセブン
愛子さま
愛子さま、日赤への“出社”にこだわる背景に“悠仁さまへの配慮” 「将来の天皇」をめぐって不必要に比較されることを避けたい意向か
女性セブン
「学園祭の女王」の異名を取った田中美奈子(写真/ロケットパンチ)
田中美奈子が語る“学園祭の女王”時代 東大生の印象について「コミュニケーションスキルが高く、キラキラ輝いていた」
週刊ポスト
羽生結弦(時事通信フォト)の元妻・末延麻裕子さん(Facebookより)
【“なかった”ことに】羽生結弦の元妻「消された出会いのきっかけ」に込めた覚悟
NEWSポストセブン
目覚ましテレビの人気コーナー「きょうのわんこ」(HPより)
『めざましテレビ』名物コーナー「きょうのわんこ」出演犬が“撮影後に謎の急死”のSNS投稿が拡散 疑問の声や誹謗中傷が飛び交う事態に
女性セブン
シャトレーゼのケーキを提供している疑惑のカフェ(シャトレーゼHPより)
【無許可でケーキを提供か】疑惑の京都人気観光地のカフェ、中国人系オーナーが運営か シャトレーゼ側は「弊社のブランドを著しく傷つける」とコメント 内偵調査経て「弊社の製品で間違いない」
NEWSポストセブン
神田正輝の卒業までに中丸の復帰は間に合うのか(右・Instagramより)
《神田正輝『旅サラダ』残り2週間》謹慎中のKAT-TUN中丸雄一、番組復帰の予定なしで「卒業回出演ピンチ」レギュラー降板の危機も
NEWSポストセブン
小泉進次郎氏・滝川クリステル夫妻の出産祝いが永田町で話題
小泉進次郎夫妻のベテラン議員への“出産祝い”が永田町で話題 中身は「長男が着ていたとみられるベビー服や使用感のあるよだれかけ」、フランス流のエコな発想か
女性セブン
稽古は2部制。午前中は器具を使って敏捷性などを鍛える瞬発系トレーニングを行なう。将来的には専任コーチをつけたいという
元関脇・嘉風の中村親方、角界の慣習にとらわれない部屋運営と指導法 笑い声が飛び交う稽古は週休2日制「親方の威厳で縛らず、信頼で縛りたい」
週刊ポスト
柏木由紀と交際中のすがちゃん最高No. 1
《柏木由紀の熱愛相手》「小学生から父親のナンパアシスト」すがちゃん最高No.1“チャラ男の壮絶すぎる半生”
NEWSポストセブン
今年8月で分裂抗争10年目を迎える。写真は六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「宅配業者を装って射殺」六代目山口組弘道会が池田組に銃口を向けた背景 「ラーメン組長」射殺事件の復讐か
NEWSポストセブン
小泉進次郎元環境相と妻の滝川クリステルさん(時事通信フォト)
滝川クリステルの旧習にとらわれない姿勢 選挙区の横須賀では「一度も顔を見せないのはどうか」の声、小泉進次郎氏は「それぞれの人間性を大事にしていきたい」
女性セブン