同県では、「紅秀峰」や「紅さやか」といった特徴的な品種も開発・生産されている。それらの品種を栽培する農家は「せっかく全国からも人気も高まって、いろいろな品種も頑張ってやっていたが、今年は大きな赤字になる。もうサクランボ農家を続けられないかもしれない」と落胆の声を寄せる。
“サクランボ不作”で、ふるさと納税を取り扱う業者も対応に追われている。冒頭のように代替品から選んでもらうだけではなく、様々な方法で寄付の返礼に対応しようとしているのだ。
冒頭とは別の業者は「サクランボの代わりに、数倍の量の別のフルーツを送ることにしました。大きさも送料も違うので大変です」(担当者)と明かす。
また別の業者の担当者は「1年遅れで、2025年の収穫時に発送することをご案内しています。しかし、中には『来年にちゃんと実る保証がありますか』とご意見をいただくことも……」と漏らす。
山形県でふるさと納税を取り扱う県産品・貿易振興課の担当者に聞くと「発送できない事態が起きていることは把握しています。県で返礼品の種類や数を決めることはしておりません」と語ったうえで、「全国的に右肩上がりのふるさと納税制度を今後も推進していく」という。県内の市町村のなかには、来期以降はサクランボの収穫量を想定して申し込みを受ける計画を立てているところもあるという。
さまざまな努力が「実る」ことを祈りたい。