ビジネス

「サクランボ不作」でふるさと納税が大混乱 突然「別商品に差し替え」「1年後に送付」で業者てんやわんや

過去に例のない不作となる見通しの山形県のサクランボが「ふるさと納税」にも影響を与えている

過去に例のない不作となる見通しの山形県のサクランボが「ふるさと納税」にも影響を与えている

〈お申し込みいただきました、『【令和6年度発送】~山形名産地より~さくらんぼ佐藤錦 大玉 800g Lサイズ』につきまして、天候の影響により生育が芳しくなく、お礼品をお届けすることができない状況でございます〉──大手ふるさと納税サイトから、東京都内の男性のもとにこんなメールが届いたのは7月初旬のことだ。

 山形県内で記録的な不作となっている「サクランボ」。同県のまとめによると、返礼品として発送予定だったサクランボ約1万5000件のうち約1500件が発送不可能になり、県内の市町村では計約33万6000件の発送予定のうち、23%の約7万6000件を発送できていない(6月26日時点)という。

 冒頭のメールでは、サクランボの代わりとなる返礼品の中から希望するものを選んで返信をするよう求められていた。代替品は「アンデスメロン(青肉) 秀2L 2玉」「紅花メロン(赤肉)とアンデスメロン(青肉)」「白桃 おまかせ品種 約2kg」「庄内柿 種無し柿 約3kg」「きららセット 各1箱(12個入り)」「【手打そば竜山】本格乾麺 10人前」の6種類。男性は桃を申し込んだという。

 寄付の金額に応じて全国の美味しい物や特産品が手に入る「ふるさと納税」。2023年度の寄付額は1兆円を超えたとされている。山形県はサクランボの生産量で全国1位、シェアは7~8割に達する。サクランボは、山形県内の自治体のふるさと納税返礼品としても人気は高く、寄付件数ベースで同県のふるさと納税の1割超を占める。

 今年の不作はどれほど深刻なのか。山形県東村山郡でふるさと納税返礼品用のサクランボも生産する農園を持つ男性が言う。

「人気品種・佐藤錦の収穫の時期に気温が30℃を超える日が続き、一気に『熟度』が収穫するレベルに達してしまいました。収穫できる期間は通常2週間くらいなのですが、今回は1週間でぜんぶ熟れてしまい、収穫しきれなかったり発送できないほど完熟になったりしてロスが出てしまったのです。

 他にも『高温障害』の状態になった果実がたくさんあった。様々な品種に被害が出たため、収穫量で言うと例年の半分くらいになり、返礼品を発送できないケースもありました」

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン