7月5日より、主演舞台が開幕した宮沢りえ(51歳)。時代や国境、ジェンダーも飛び越え、数奇な運命に立ち向かって真実の「私」を探す主人公を演じる彼女自身も、10代から活躍する芸能界でさまざまな姿を見せながら、自身のあり方を確立してきたのではないだろうか。6月のテレビ出演時に、ビジュアルが話題になったことも記憶に新しい彼女が同世代の女性を中心に支持される理由について、有名人批評に定評があるライターの仁科友里さんが分析する。
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6月21日放送の『あさイチ』(NHK)に出演した女優・宮沢りえさん。最近は舞台を中心に活動しているそうで、テレビで彼女を見るのが久しぶりという人もいたでしょう。そのせいもあって、SNSでは、りえさんのお肌がテカテカだとか、シワが多いという書き込みも見られましたが、これはテレビ側の問題と言えるのではないでしょうか。
フルハイビジョン、4K、8Kとテレビはどんどん解像度が上がり、高画質となっていっています。そのため、肉眼では気にならない、毛穴やシミ、シワなどもはっきり見えてしまう女優泣かせの時代に突入しているとも言えるわけです。
「あえて」シワを隠さない自然な美しさ
メイクでカバーするという手段もあるでしょうが、高級化粧品クレ・ド・ポー・ボーテのジャパンアンバサダーに就任したりえさんは『VOGUE』誌のインタビューに対し、「家族から『あまり手を加えないで、ナチュラルに年を取るのが素敵だと思う』と言われた」「年齢を重ねると、どうしてもシミやシワを隠すために、厚く塗り重ねて、となりがちですけど、素を出せる肌でいたいと思っています」とエイジングをネガティブにとらえていないことを明かしています。
つまり、りえさんは「あえて」シワを隠してないということなのです。個人的に私がスゴいと驚いたのが、りえさんの首のシワの少なさなのでした。首というのは年齢がモロに出ると言われているところで、美容医療をもってしてもカバーしにくいと聞いたことがあります。長年メナード化粧品のカオを務めてきた女優・岩下志麻さんもりえさんと同じく美しい首の持ち主ですが、顔と同じように首も毎日、お手入れしていることを明かしています。
経営用語に「選択と集中」という言葉がありますが、りえさんもお手入れするところはお手入れするけれど、自然にまかせている部分もあるということではないでしょうか。テカテカ、シワシワという意見がある一方で、りえさんの自然な美しさを称える意見もたくさんあったのでした。
エイジングを隠さないのは大女優となった証?
りえさんと言えば、90年代の美少女ブームをけん引する存在でした。女優・観月ありささん、牧瀬里穂さんと共に“3M”と呼ばれ、大人気でした。その彼女がエイジングを隠さなくても支持されていることを不思議に思う人もいるかもしれませんが、これは彼女が大女優となった証だと思います。
その国を代表する女優、たとえば大竹しのぶさんや、アカデミー賞最多ノミネート賞記録を持つメリル・ストリープになると、「それが彼女だから」という理由で、見た目についていちいち言われることはありません。りえさんも第25回読売演劇大賞など、名だたる賞を受賞する舞台女優へと成長を遂げましたが、ここに至るまでの道のりは決して平たんなものではなかったことでしょう。そこで今回は、りえさんの芸能人人生を振り返ってみたいと思います。
かつて3Mと呼ばれた宮沢りえの半生
上述したとおり、観月ありささんや牧瀬里穂さんと共に3Mと呼ばれ、絶世の美少女として芸能活動をしていたりえさんですが、他のお二人と決定的に違う点が3つあります。