3児のママにして、現在白百合女子大学に通う大学生である小倉

3児のママにして、現在白百合女子大学に通う大学生である小倉

 もともとテレビの企画が出発点ではあっただろうが、損得抜きに学びたいという小倉の真摯な姿は好感とともに伝えられている。また実際、この学び直しの話をしてもらうためにテレビ出演も活発になるなど、仕事の幅も広がっている。
 
 一度進んだはずの大学を退学する人もいる。2021年、社会人特別入試を突破して駒澤大学の法学部に入学したのが、“東MAX”こと東貴博だ。だが今年2月、退学したことを告白している。その理由について、卒業するために必要な128単位を3年生のときにすでに取得してしまったと言及。基本的には大学は4年制でいいとしつつも、自分のようなケースの場合は卒業できたらいいのにという、「大学の早期卒業制度」への問題提起でもあったと話している。

 そもそも彼を大学に突き動かしたのは、師匠でもある“欽ちゃん”こと萩本欽一が先に同じく駒大に進んだことが始まりだった。その後、愛娘のお受験を通して改めて勉強の大切さに気づき、受験を決断したという。そんな師の萩本も、2015年4月から駒大仏教学部に在籍していたが、2019年5月、お笑いを一生懸命やろうという思いから自主退学している。
 
 こうした例からは、進学するのも退学するのも、本人の裁量いかんであることが容易に分かる。学費は当然のごとく自分でねん出しているわけだから、途中で行かない判断をしても、何ら問題はない。高校生だった人間が大学に進み、中退すると大卒の学歴は得られないが、彼らタレントはそれに左右されないキャリアを持っている。義務のために学び舎に通っていたわけではないのだ。大人になると、そんな選択の自由も持ち合わせることができることも教えてくれる。

 総じて言えるのは、単純にテレビの出演本数や目立った露出だけが芸能人の証ではないということだ。自分たちの生き方を通して多くの人々に勇気や感動を与えたり、励みになるような活動をすることもまた、彼らの仕事の1つといえる。今後も彼らの学び直しの機運は高まっていくことだろう。

(ライター・飯山みつる)

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