日本の芸能史にその名を刻む2人の女性アイドル、松田聖子と中森明菜。「聖子ちゃんは太陽で、明菜ちゃんは月なんです」──アイドルの元祖で、2人と親交の深い小柳ルミ子はそう表現する。
「聖子ちゃんがデビューした頃、家が近所でよく遊びに行きました。(上京して同居中の)お父さんが娘を心配していたから、同じ福岡出身の私に『お姉ちゃんになってあげてください』と。家に電話すると『ルミ子姉ちゃんからだよ~』って」
父親から博多弁で「法子(本名)をちょっと説得してくれんね」と頼まれた時もあった。
「聖子ちゃんの部屋でミッキーマウスのベッドカバーの上に並んで座って、話しました。詳しい内容は言えないですけど(笑)」
芸能人として葛藤を抱く本人の悩みも聞いた。
「当時のアイドルは事務所の方針通りに動いていたけど、聖子ちゃんは自分の意見を積極的に出していた。でも、最初の頃は通らない。『自分の強みを客観的に分析できないと、自己プロデュースはできないよ』と言いました。聖子ちゃんは甘い歌声を持っていて、トロけるような衣装を着こなせる。今もフリフリのワンピースでステージに登場して立派ですよね。あの子にしかできない。ファンを燦々と照らす太陽です」
近年もコンサートを見た小柳が感想メールを送ると、すぐに返信がある。
「『私の憧れのルミ子さんに見て頂くのは恥ずかしい』から始まるんですよ(笑)。それで、『尊敬するルミ子さんが褒めてくださると、すごく自信になります』とかね。2年前、私の誕生日にカーディガンをプレゼントしてくれた。今もよく着ています」
小柳も聖子もワイドショーに追いかけ回された。何度バッシングに遭っても、這い上がってきた。
「聖子ちゃんはよく言いますよ。『ルミ子さん、私たちスキャンダルの女王だね』って(笑)。私も『その通りね、聖子ちゃん』と頷きます。お互い、目を合わせて『強いね~』って。負けず嫌いの性格もありますけど、歌やステージが好きという気持ちが活力の源だと思います」