今年4月にインスタグラムを開設するなど、宮内庁の情報発信は改革の途中だが、こうした宮内庁の姿勢にはメディアからも疑問の声があがる。皇室担当記者が語る。
「6月の天皇皇后両陛下のイギリスご訪問に関しても、宮内庁から詳細な日程や面会相手の情報などがご訪問直前になってもなかなか出なかったりと、広報対応が後手に回っていた。同行した記者たちからは、正確な報道ができないといった不満の声があがっていました」
さらに、木戸氏は佳子さまの海外訪問に際し、その服装ばかりに注目が集まる現状にも警鐘を鳴らす。
「佳子さまのお召し物が素敵だとか、いくらで売っているという話が盛大に報じられましたが、それもいかがなものか。実際、国際親善の場では、“庶民的だからよい”というわけではありません。というのも、ギリシャ人は『装い』で人を判断するところがあるからです。フォーマルな会は当然、自分にとって大事な場面にはきちんとした格好で行くし、逆にラフな格好で行くとそれなりの対応をされてしまいます。
佳子さまが表敬訪問された際、ギリシャの首相夫人が軽装で迎えたと話題になり、佳子さまが『軽んじられた』ともいわれましたよね。私は佳子さまがアクロポリスを訪問された際の服装が影響しているのではと思うのです」(木戸氏・以下同)
“軽く扱われた”と誤解した
訪問1日目の5月26日、首都アテネのアクロポリスにあるパルテノン神殿を訪れた佳子さまは、ブルーのサマーニットをお召しだった。そのニットが約3000円というプチプラ価格だと報じられると多くの反響を呼び、ニットは飛ぶように売れたという。
一方、2日後の28日に首相夫妻と懇談した際、鮮やかな着物姿で臨まれた佳子さまに対し、首相夫人はブレザーにボタンダウンシャツ、下はチノパンに垂れ下がったベルトというカジュアルスタイルだった。
「日本では、佳子さまが着ていらした3000円のニットが売り切れたとか、庶民的でよいと報じられていますが、ギリシャ人からしたら“軽く扱われた”と誤解したのかもしれません。
ギリシャは世界中の王侯貴族がバカンスを過ごす観光地でもあります。首相夫人は有名なビジネスマンでもあり、そうした富裕層とも接点がある人。フォーマルな服装にも慣れているはずなのにあえて“軽装”を選んだのは、アクロポリスの佳子さまを見て、そのカジュアルなスタイルに合わせようとしてしまったのではないか」
もちろん、佳子さまに落ち度はなく、宮内庁や周囲のサポート体制の問題なのだろう。実は前出の修道院ご訪問の服装も“やや異例”だったそうだ。
「修道院に行く際には礼儀として、女性は足のラインが見えてはいけない。パンツスタイルはダメなのです。でも、当日の佳子さまのお召し物はよく見るとワイドパンツでした。修道院長は『足首まで隠れていたし、そうは見えなかったからかまわない』と言っていましたが、あえて冒険する必要はないはず。
佳子さまは過密スケジュールにも嫌な顔ひとつせず、笑顔で一生懸命、公務をこなされていました。だからこそ、そうした細かい点は周りの方々が気を配らないといけませんよね」
遠く異国の地で“東洋のダイアナ”と紹介され、注目を集めた佳子さま。倹約を尊び、親しみやすいお召し物も素敵だが、国際親善に励むお姿が正しく伝わることを願うばかりである。
※女性セブン2024年8月1日号