「見えました!!」「ご苦労様です!」──うだるような暑さが襲った7月18日。神奈川県横浜市内にある巨大施設には黒いスーツをきっちりと着こなした男性が数多く集まっていた。汗を流しながら誘導棒を持って交通整理をする男性、荷物を施設に運び込む男性、直立不動で立つ男性──道路を挟んだ反対側のエリアでは40人ほどの警察官が集会用テントを設置して陣取り、こちらも汗を流しながら彼らの動きに目を光らせていた。
通りすがりの歩行者も「ここで何があるんだ……?」と思わず口に出すほど異様な雰囲気に包まれた現場。それもそのはず。この日、関東に拠点を置く有名暴力団のトップが一堂に集まるからだ。実話誌記者が語る。
「関東に拠点を置く暴力団8組織による親睦団体『関東親睦会』の発足10周年を記念してトップが集まりました。いわば“ヤクザサミット”でしょう。この会には稲川会、住吉会、極東会、松葉会、関東関根組、双愛会、東声会、六代目山口組傘下組織の國粹会といずれも有名組織が所属している。
この『関東親睦会』の前身は関東会、関東二十日会という名称の親睦連絡組織だった。1960年代から続いていて、当時は暴力団がお互いの縄張り争いやシノギ(暴力団の経済活動)が活発だったこともあり、その調整・解決が中心だった。2014年に現在の名称、組織体制になった」
有名組織のトップが集まるとあって、会場となった指定暴力団・稲川会の稲川会館には、警視庁、埼玉県警、神奈川県警、千葉県警から「マル暴」が集まることに。現場にいた警官に話を聞くと、「マル暴担当のほとんどが来ているんじゃないか」とのことだった。