自民党総裁選まであと2か月となり、次から次へと「ポスト岸田」候補の政治家の名前が取り沙汰されるようになった。だが、果たしてそのなかに、失われた政治への信頼を取り戻し、低迷する日本経済を立て直し、外交も含めた今後の国の舵取りを任せられる政治家はいるのだろうか。国民は今度こそお祭り騒ぎの総裁選で誤魔化されないように、総裁候補の資質を見極めることが重要だ。
そこで本誌・週刊ポストは、長年自民党政治を取材してきたジャーナリストや政治評論家、自民党OB政治家など7人の「政治のプロ」に名前の挙がっている総裁候補たちのなかから、「ポスト岸田の総理に選んではいけない政治家」と理由を挙げてもらってランキングにした。【全3回の第2回。第1回から読む】
※採点者は石橋文登氏(政治ジャーナリスト)、小林吉弥氏(政治評論家)、田中良紹氏(政治ジャーナリスト)、野上忠興氏(政治ジャーナリスト)、藤本順一氏(政治ジャーナリスト)、舛添要一氏(元東京都知事)、宮崎信行氏(政治ジャーナリスト)の7人(五十音順)。各氏が「ポスト岸田にしてはいけない政治家」を1~3人挙げ、順位をつけた。1位は5点、2位は3点、3位は1点で計算し、合計点数が高かった順にランキングにした(同点の議員は五十音順に並べた)。
自分の仕事から逃げた茂木幹事長
ランキングを見ていく前に、まず「ポスト岸田」の総理に問われる資質は何かを整理する必要がある。
岸田政権が国民から見放されたきっかけは自民党の裏金問題だ。
岸田文雄・首相は「派閥の解散」「裏金議員の処分」「政治資金規正法の改正」で改革姿勢を見せようとしたが、派閥解散は中途半端、自らの処分はなく、法改正も名ばかり。いずれも小手先の対応で、本気で自民党の体質、政治を改めようという覚悟が見えなかった。そのことが国民の政治への不信、自民党への不信を深めた。自民党の政党支持率が過去最低に下がっていることからもそれがわかる。
では、ポスト岸田には何が必要なのか。元共同通信政治部次長で政治記者歴60年のベテラン政治ジャーナリスト・野上忠興氏が語る。
「次の総理に一番求められるのは、自民党の立て直しではない。なにより国民の政治に対する信頼を取り戻せるかどうかです。そのために自民党に血を流させ、膿を出し切る決意と覚悟があるかが問われる」