“日本一熱い男”は今回のパリ五輪も、現地から声を張り上げる。テレビ朝日の五輪中継のメインキャスターを務める松岡修造(56才)。2004年のアテネ五輪から夏季・冬季合わせて11回目の五輪だ。
「前回の東京五輪が新型コロナの影響で無観客だったため、修造さんの熱血応援もなりをひそめました。その反動もあって、今回の熱量はこれまで以上。事前取材のため、今年はすでに2度パリを訪れています」(テレビ局関係者)
各テレビ局は、過去、情報番組ごとに取材チームが現地入りしてきた。
「東京や大阪のみならず、地方局からもアナウンサーやスタッフが派遣されてきました。世界レベルの祭典ですから、現場スタッフにはいい経験になる。加えて今回は観光地としても人気のパリですから、希望者が殺到していた」(別のテレビ局関係者)
しかし、日本メディアの前には「取材費」という大きな壁があった。対ドルが空前の円安に見舞われている中で、対ユーロも7月上旬にユーロ導入の1999年以降で最安値を更新した。
「派遣するスタッフの数が増えれば増えるほど、現地でかかるお金も当然増えていく。そのため、今回の五輪では必要最小限の人数しか現地入りが許されません。中継スタッフは、アパートメントホテルとは名ばかりの“残念な部屋”に複数人で押し込まれることになりました。さらに、宿泊費を圧縮するため開幕直前に現地入り。時差ボケ対策のための“ならし期間”もなく、ミスが起きないか不安で仕方がありません」(前出・別のテレビ局関係者)
その影響は修造にも及んでいる。
「修造さんですらハイクオリティーとはいかず、格安ホテルだそうです。しのびないですが、修造さんはそのあたりの事情は理解してくれています」(前出・テレビ局関係者)
残酷物語はまだある。五輪期間中、各国のメディアは特設されたプレスセンターで業務を行う。
「プレスセンターは、当初パリ郊外サンドニの仮設施設内に造られる予定でした。ところが、追加工事のコスト増を避けるため、同じサンドニの組織委員会本部と同じ施設に入るよう急きょ変更されたんです。突貫工事だからなのか、プレスセンターはやたらと冷房の利きが悪い。開幕前、まだ閑散とした状態でそんな暑さですから、これから人が増えれば蒸し風呂状態になるんじゃないかと心配です」(在欧ジャーナリスト)
空前の「おにぎりブーム」到来中のパリ。プレスセンター内にはスーパーもあり、おにぎりは1つ3.4ユーロ=約580円。サンドイッチは4.8ユーロ=約820円と、小腹を満たすのにも躊躇する値段だ。花の都なのに、浮かれ気分とはいかないようだ。
※女性セブン2024年8月8・15日号