2016年のM-1王者・銀シャリは、今年で結成19年を迎えた。「結成15年以内」を出場条件とするM-1に加え、16年以上を対象とする賞レース・THE SECONDも始まったなかで、銀シャリは自身が優勝して以降の賞レースをどう見ているのか。(全3回の第2回目。第1回から読む。聞き手/中村計・ノンフィクションライター)
――毎年、M-1の時期になると、その年のもっともいいネタ2本をひっさげて脳内で参戦するという架空M-1、通称「エアM-1」。今もエアM-1はやっているのですか。
橋本 やっぱり毎年2本はいいネタが欲しいですからね。そういう意味でも、「M-1に出てたら……」というのはひとつの指標になりますから。
――過去、エアM-1で銀シャリが優勝したことはあるのですか?
鰻 それを言うとね、優勝した人に対してあれになってもあれやし。
橋本 毎年、優勝するつもりでやっていますから。
鰻 結果は察してください。
――昨年の令和ロマンの優勝はどう見ましたか。
橋本 僕は囲碁将棋の文田(大介)と一緒にテレビで観ていたんですけどね。いや、ほんまニュータイプですよね。
鰻 緊張が見えなかった。普通、緊張するもんやと思うんですけど。1週間くらい前から「楽しみです!」みたいなノリで。
――過去、準々決勝と準決勝でやったネタを、テレビ放送される決勝で一度もやらずに優勝したコンビなんていませんよね。
橋本 ものすごく戦略的でしたよね。トップバッターになったから、お客さんに話しかける系のネタにしたとか。いろんな傾向のネタを準備しておいて、順番や流れによってネタを変えていました。新しい戦い方やなと思いましたね。