結成19年を迎える漫才師で、2016年のM-1王者・銀シャリは、1万人の動員を目指す全国ツアーを開催中だ。ツアーではゲストの芸人を呼ぶケースも多いが、銀シャリは自分たちのネタだけで観客を楽しませるという。ライブへのこだわりを聞いた。(全3回の第3回。聞き手/中村計・ノンフィクションライター)
――同時並行でやっている2つのツアーは、1万人動員を目指す『シャリとキリギンス』と、2019年から継続中の『銀シャリの産地直送漫才~47都道府県巡り~』ですよね。両者は違うツアーなんですよね?
橋本 ややこしいっすよね。『全国』と『47都道府県』、同じ意味やもんな。
鰻 47(よんなな)は毎年、ずっとやってるやつで、今、半分くらい制覇しました。『シャリとキリギンス』は1年に1回、新ネタを披露する定番の全国ツアーです。
――1万人を目指すという謳い文句が付いていますが、いつも動員数の目標を掲げるものなのですか。
橋本 いや、言ってないです。1万人集められたら、過去最大の全国ツアーになると思います。僕ら、地味っちゃ地味じゃないですか。
鰻 でも「1万人動員」って打ち出したら、派手な感じになるじゃないですか。だから、そこはいろいろな意味で挑戦っす。
――5月にスタートしている『シャリとキリギンス』は全部で15会場で開催予定なので、1会場あたり670人を集めることができれば達成できる計算になりますね。
橋本 1000(席)超えのところもいくつかあるので、大きさはまちまちなんですけど、全部合わせたら1万は超える計算になります。
鰻 でも毎回、(客が入るかどうか)不安っす。あんま気にしないようにはしてますけど、不安っす。でも、去年、約1600キャパの御園座(愛知)で単独をやったら、満席やったんですよ。あれは嬉しかったなぁ。