1990年からこれまで4度にわたってドラマ化されている人気漫画『南くんの恋人』

1990年からこれまで4度にわたってドラマ化されている人気漫画『南くんの恋人』が男女逆転版で復活

脚本は若手俳優をリスペクトする岡田が惠和氏

 さらに脚本は、その名前を見ただけで視聴者がチャンネルを合わせ、細やかな伏線や温かくも軽妙な会話劇を期待する岡田惠和氏なのである。ちなみに岡田氏は1994年に放送された武田真治×高橋由美子の『南くんの恋人』の脚本も担当していた。

 岡田氏と言えば、現在絶賛再放送中の連続テレビ小説『ちゅらさん』や、井上真央や満島ひかり、マイコ、田中圭らの演技と知名度をお茶の間に浸透させた『おひさま』。そして、オーディションに金髪で現れた伊藤沙莉を氏が「面白い」と評価し、台本にはなかった米子(よねこ)役を伊藤にあてたことでも知られる『ひよっこ』など“朝ドラ”ファンからも愛される他、人気作品を多数担当してきた脚本家である。テレビ朝日ではHey!Say!JUMPの山田涼介が主演した『セミオトコ』も岡田氏の作品だ。

「平成を代表する名作を数々生み出した人気脚本家」と紹介されることも多いが、2023年4月期に、清野菜名、岸井ゆきの、生見愛瑠の友情と日常を描いた、『日曜の夜ぐらいは…』(ABCテレビ制作・テレビ朝日系)は「ギャラクシー賞」や「日本民間放送連盟賞」に輝いた名作であり、特にティーン誌やバラエティ番組で「めるる」として人気を博していた生見を女優へと開花させた作品としても知られる。

 つまりは、令和でも“現役”である岡田氏は、自身よりも出演俳優が褒められることを至福の喜びとするだけでなく、「若い役者たちが素晴らしいです」と10代、20代の俳優をリスペクトし、それぞれの役に愛情を注ぎこむ脚本家でもある。

 実は筆者も「脚本・岡田惠和」のクレジットを理由に『南くんが恋人!?』を見始めたのだが、1話でも2話でも、「本当にがんばっている」「こんなに演(や)れるんだ」、さらに「かわいい」「本当にカッコイイ」などと引き込まれるのが飯沼愛と八木勇征だったことに自分で驚いているところだ。

 現在20歳で、制服姿にも無理のない飯沼は抜群の透明感があり、多発されるアップのシーンには何とも言えぬオーラがある。2話以降の八木との共演シーンはCG合成が多発され、実際にはキスシーンも一人で頑張っているのだろうなと想像するだけで、ますます応援したくなる。

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