事件現場となった藪。犯行当時、人通りは少なかったという

事件現場となった藪。犯行当時、人通りは少なかったという

犯行現場の様子は

 事件が起きたのは2023年の11月29日のこと。取材班は犯行現場を訪れた。一軒家が立ち並ぶこのエリアは、最寄り駅から1.5キロほど離れた住宅街だ。

 その一角にはわずかに山肌が剥き出しになった藪があり、男はそこで犯行に及んだ。人目を避けられるほど草木が生い茂っているわけでもなく、近くには住宅や学校もあり、犯行が白昼堂々行われたとはにわかには信じ難いような場所だ。

 男に服を脱がされ「声を出したら殺す」と脅された女の子。薮のすぐそばに小学校の裏門があるものの人通りは少ない。行為が終わると彼女は服を着直し、自力で学校まで逃げ去ったという。なぜ、男はこの女の子を狙ったのだろうか。彼女の家庭と親交がある人物がこう語る。

「彼女は男とまったく面識がなかったみたいですが、彼のほうはその子の存在を前から知っていたのではないかという話もあるようでした。事件が起きたエリアは新興住宅地なので、子ども自体はすごく多いので、もしかすると誰でもよかったのかもしれませんが……。そればっかりはもう本人にしかわかりません」

 5月31日に福岡地裁で行われた被告人質問。男は言葉を詰まらせながら弁護士や検察官の問いに答えていた。事件が起こった4か月前には自暴自棄になり仕事を辞めたと話し、無職の期間は動画配信サイトなどを観て過ごしたという。そして犯行の動機については「理解されないと思うんですけど、『襲わなきゃ』という変な強迫観念はあったと思います」と語っている。

 自身が追い込まれていたにせよ、無垢な女の子を襲っていい理由にはならない。

後編に続く)

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