不同意性交等の罪などで懲役を言い渡された八並孝徳被告

女児の隣で微笑む八並被告

犯行には“凶器”も用意していた?

 事件の当日、日付が変わったころから犯行時刻までの8時間以上も街を徘徊していたという男。逮捕後に「一生キズが残りやすいように性行為をした」とも供述しているが、今回、男はなぜ彼女を狙ったのか。女の子と同級生の子どもをもつ保護者はある“後日談”を話した。

「被害に遭った女の子は、別に大人びて見えるなんてことは全然なくて、いたって普通の小柄な小学6年生。学校までは歩いて30分くらいの場所に住んでいるそうですが、事件の当日は少し遅れて家を出たらしく、それで学校に着く直前で襲われたんです。

 親たちのなかでは犯人の男が『ロープもナイフも用意していた』という話もあり、最悪の事態になっていた可能性も……と考えるとゾッとします。女の子は暴行を受けたあと、自分で服を着て逃げ出したわけですよね。その光景を想像するともういたたまれません」

 この話が事実であれば、あまりにも卑劣な行為だ。この一件があって、女の子はあらゆる男性に対して不信感を抱くようになってしまったという。

 7月19日の判決で、同地裁・今泉裕登裁判長は事件について「被害女児の人格を踏みにじる、卑劣で悪質なもの」と厳しく指摘。男は被告人質問の際、女の子に対して「傷つけてしまった被害者のことを1日たりとも忘れずに自分自身も一生懸命働いて生きていきたいと思います」と反省の弁を述べている。

 そんな彼も26〜27歳で服役を終えて出所する。性犯罪については、厳罰化を求める声を受けて法改正が重ねられてきたが、今回の「懲役6年6ヶ月」という判決についても「刑罰が軽すぎる」といった声は多い。子どもに接する仕事に就く人に性犯罪歴がないか確認する制度「日本版DBS」の導入が決まっているが、それだけで十分なのか、社会的な議論が必要になるだろう。

(了。前編から読む)

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