芸能

映画『九十歳。何がめでたい』老人ホームの利用者たちが団体鑑賞でみんな笑顔に 高齢者の心を鷲掴みする“めでたい魅力”

映画を鑑賞した特別養護老人ホーム「サンシャイン」のみなさん

映画を鑑賞した特別養護老人ホーム「サンシャイン」のみなさん

 映画『九十歳。何がめでたい』の公開から約1か月、口コミが広がり人気はうなぎのぼり。異例のロングランが続いている。それに伴い原作の2冊『九十歳。何がめでたい』と『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』もさらに重版し、シリーズ累計183万部を突破。佐藤愛子さんと草笛光子さんに共通するのは、「こんなふうに生きたい」という、私たちの憧れの的であること。

「戦争モノはイヤ。コメディーがいい」

 7月13日の山形新聞朝刊の「やましんサロン」欄に81歳男性のこんな声が載った。《映画「九十歳。何がめでたい」を見てきました。直木賞作家・佐藤愛子さんの大人気エッセーが原作で、佐藤さん役を90歳の俳優・草笛光子さんが演じました。(中略)私もこの先どうなることか。のんびりせずに90歳まで脳の活性化に努め、ちょっぴりと迷惑かけ、意地を張らずに自分流に日常生活をエンジョイしようと考えました》というもの。

 SNSでも、久々に映画館で映画を楽しみ、「元気が出た」「ゲラゲラ笑った」といった声が溢れているが、この映画に特徴的な光景は、高齢の親が子や孫に連れ添われて2世代、3世代で鑑賞する姿。さらにいま、高齢者施設のレクリエーションとして映画館を訪れるという新しい形が生まれつつあるという。

 福岡県福岡市東区の特別養護老人ホーム「サンシャイン」のInstagramでは、木村カエラの歌う主題歌『チーズ』にのせて、映画館を訪れた利用者のみなさんの笑顔が紹介されている。どんな思いで映画館外出を企画したのか、担当の介護職員が語った。

「コロナ禍でお花見や買い物など、外出の機会がここ4年間ずっとなかったんです。何かできないかと模索していたところで6月の行事担当になって、混雑してない映画館なら屋内で梅雨にも左右されず、お出かけ気分が味わえるんじゃないか──そう考えて映画館外出を提案しました。

 利用者のみなさんの健康を守るために施設としては慎重でしたが、諸条件をクリアしてようやく実現することができました」(特別養護老人ホーム「サンシャイン」の介護職員・以下同)

 人が少ないであろう平日の朝一番の上映回を狙い、郊外のシネコンへ。事前に下見にも出かけた。

「封切り前だったので、まず作品が上映されるか尋ねました。階段が何段あるかなど当日のスクリーンを確認して、なるべく階段を使わない中央列の座席を仮予約させてもらいました」

 車の定員などの関係で今回は6名が参加。中には映画館へ向けてシルバーカーの練習に励む姿もあった。

「普段は歩行器を使われているかたなのですが、待ちに待った映画館とあって頑張ってシルバーカーでお出かけしてみようか、と。歩行器とは体重のかけ方が違い、2週間くらい前から練習をされていました」

 なぜ『九十歳。何がめでたい』を選んだのだろう。

「事前に“許可が出るかわからないけれど、もし映画に行くなら、どんな作品がいい?”と聞いたら、“戦争モノはイヤ”“笑えるコメディーがいい”と返ってきたんです。さらに高齢のかたが主役の作品なら等身大で楽しめると思いましたし、90代の作家さんの実生活を基にしている点も自分の日常に置き換えて見られるんじゃないかと考えて、この作品にしました」

関連キーワード

関連記事

トピックス

岡田結実
《女優・岡田結実(24)結婚発表》結婚相手は高身長の一般男性 変装なしの“ペアルックデート”で見せていた笑顔
NEWSポストセブン
ウッチャンナンチャンがMCを務める番組『チャンハウス』
【スクープ】フジテレビがウンナン&出川MCのバラエティー番組で小学生発言を“ねつ造演出”疑惑 フジは「発言意図を誤解して編集」と説明、謝罪 
女性セブン
同区在住で農業を営む古橋昭彦容疑者は現行犯逮捕された
《浜松高齢ドライバー事故》「昭坊はエースピッチャーで自治会長をやっていた」小学生の列に突っ込んだ古橋昭彦容疑者(78)の人柄【小学2年生の女児が死亡】
NEWSポストセブン
くら寿司
《ピンク色の破れたゴムを…》「くら寿司」が迷惑行為に声明「厳正な対応を行う予定」実行者は謝罪連絡入れるも…吐露していた“後悔の言葉”
NEWSポストセブン
中学時代の江口容疑者と、現場となった自宅
「ガチ恋だったのかな」女子高生死体遺棄の江口真先容疑者(21) 知人が語る“陰キャだった少年時代”「昔からゲーマー。国民的アニメのカードゲームにハマってた」【愛知・一宮市】
NEWSポストセブン
巨人戦で審判の判定に抗議する中日・星野仙一監督(1999年、時事通信フォト)
“ジャンパイア”疑惑で考えるマスの傲慢 「球界の盟主・巨人」をどこまで特別扱いするかは「人類社会に共通する普遍的テーマ」である【中日ドラゴンズに学ぶ人生の教訓】
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認め全店閉店へ(左・時事通信フォト、右・HPより 写真は当該の店舗ではありません)
【こんなに汚かったのか…】全店閉店中の「すき家」現役クルーが証言「ネズミ混入で売上4割減」 各店舗に“緊急告知”した内容
NEWSポストセブン
動物言語学者・鈴木俊貴氏(左)と小説家の川上弘美氏が動物言語について語り合う
【対談】『僕には鳥の言葉がわかる』著者・鈴木俊貴氏と自らの小説に“鳥の言葉”を登場させた川上弘美氏が語り合う「動物言語が切り拓く未来の可能性」
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
X子さんフジ退社後に「ひと段落ついた感じかな」…調査報告書から見えた中居正広氏の態度《見舞金の贈与税を心配、メッセージを「見たら削除して」と要請》
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレが関東で初めてファンミーティングを開催(Instagramより)
《新メンバーの名前なし》ロコ・ソラーレ4人、初の関東ファンミーティング開催に自身も参加する代表理事・本橋麻里の「思惑」 チケットは5分で完売
NEWSポストセブン
中居氏による性暴力でフジテレビの企業体質も問われることになった(右・時事通信)
《先輩女性アナ・F氏に同情の声》「名誉回復してあげないと可哀想ではない?」アナウンス室部長として奔走“一管理職の職責を超える”心労も
NEWSポストセブン
大手寿司チェーン「くら寿司」で迷惑行為となる画像がXで拡散された(時事通信フォト)
《善悪わからんくなる》「くら寿司」で“避妊具が皿の戻し口に…”の迷惑行為、Xで拡散 くら寿司広報担当は「対応を検討中」
NEWSポストセブン