スポーツ

《金メダルの裏側を分析》スケボー堀米雄斗、体操団体・橋本大輝が土壇場で高めた驚異の集中力 心理士はどう見たのか

パリ五輪・スケートボード男子ストリート/金メダルの堀米雄斗(AFP=時事)

パリ五輪・スケートボード男子ストリート/金メダルの堀米雄斗(AFP=時事)

 3年前の東京に続き、日本選手の活躍に期待が集まるパリ五輪。日本選手の躍動が連日伝えられているが、土壇場で集中力を発揮したのが大逆転によって金メダルを手にしたスケートボードの男子ストリートの堀米雄斗(25才)と、体操の男子団体で最終種目の最終演技者だった橋本大輝(22才)だ。2人の「注意集中」について、臨床心理士の岡村美奈さんが分析する。

 * * *
 開催中のパリ五輪、トップと差をつけられながら土壇場で逆転し、金メダルをその胸にかけた2人のアスリート。彼らに共通するのは極限での集中力だ。

 暫定7位から大逆転でオリンピック連覇を決めたスケートボード男子の堀米雄斗選手。ストリート決勝ではベストトリックという技を失敗し続け、後がなくなった最後の1本で見事逆転。その最終滑走で彼が集中のために行ったのは、つけていたイヤホンの音楽をかけないこと。スケートボードではルール上、イヤホンの使用が許可されている。彼ら選手がイヤホンをつけるのは、リラックスしてプレッシャーを軽減、外部の雑音をシャットアウトし、集中力を高めパフォーマンスを向上させるためだという。

 だが堀米選手は「イヤホンつけてたんですけど、音楽とかもかけないで。出来るかぎり自分と集中できるようにして」とインタビューで振り返った。集中力をコントロールし、自分がそうしたいと思った時に望んだものに望んだように集中できるか。それが勝敗を分ける。今回、自分自身と向き合って集中力を高めていくのに音は必要なかったようだ。無音の中、高めた集中力で彼は逆転の大技を決めた。その集中力は「注意集中」だろう。

 注意集中とは、雑念や妨害刺激にとらわれずに、競技そのものに注意を向け持続させることだといわれる。注意を一点、一領域に集中させ焦点化するというもので、高められた集中力によって覚醒状態に入りやすいという説もある。人気漫画『鬼滅の刃』でいえば「全集中の呼吸」で、高い集中力と身体能力が可能になるというイメージだろう。ここで必要なのは自分が集中するだけではなく、堀米選手が言う「自分との集中」。そして緊張感を高めた状態からすっと力を抜くことで発揮される集中力のコントロールだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
 チャリティー上映会に天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが出席された(2025年11月27日、撮影/JMPA)
《板垣李光人と同級生トークも》愛子さま、アニメ映画『ペリリュー』上映会に グレーのセットアップでメンズライクコーデで魅せた
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「山健組組長がヒットマンに」「ケーキ片手に発砲」「ラーメン店店主銃撃」公判がまったく進まない“重大事件の現在”《山口組分裂抗争終結後に残された謎》
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
財務省の「隠された不祥事リスト」を入手(時事通信フォト)
《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分
週刊ポスト
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン