華やかなメイクと衣装で着飾ったダンサーたちに、「遠くから見たら“あの人は10代ですか”と思われるくらい、はつらつとね!」と発破をかけるのは、歌手で俳優の杉良太郎。この8月14日に80才を迎える杉だが、彼の眼の前でヒップホップダンスを踊るのは、そう年齢の変わらないシニアのダンサーたち──。
7月23日に東京都内で「知って、肝炎プロジェクト 健康デー 2024」が行われ、厚生労働省健康行政特別参与を務める杉を筆頭に肝炎対策特別大使の伍代夏子らが出席した。
イベントは「世界・日本肝炎デー(7月28日)」に合わせて肝炎についての知識普及、予防、治療への理解が進むよう啓発し、私たち国民が「健康」について考えるきっかけを発信するべく実施。「ダンスで健康を、世界に発信!」をテーマに、健康の要素として大切な運動・食事・睡眠の中でも、運動=ダンスを通じた健康づくりにフォーカスして情報発信を行った。
伍代による開会宣言の後、会場に流れたのが冒頭の映像だ。
杉は65才以上のヒップホップダンスチームの普及に努め、2022年より全国規模のダンス大会を主催している。映像は昨年大会の舞台裏のドキュメントが基となり、「歳じゃないんだ。生涯、元気で長生きをする。そのためにリズムを体に入れていく」という杉の理念が刻まれていた。
映像が終わると場内が暗転し、スポットライトに照らされて5つのシルエットが浮かび上がった。登場したのは、岡山からやってきたダンスチーム『OYAじ~Z』。95才、93才を含めた平均年齢83才の男性5人組で、普段は畑仕事に励んでいるという彼ら。
重心をさげてスクワットのような動きをする振りでは誰ひとりよろけることがなく、畑仕事で鍛えた足腰の強さを見せつけた。2分42秒のダンスを踊りきると「楽しかった!」とやりきった表情に。78才の“若手”メンバーは、ダンスのために50分のウォーキングを日課にしていると、健康習慣を明かした。
先輩世代のステージを間近で鑑賞した72才の武見敬三・厚生労働大臣も、「みなさん、とてもお元気でいらっしゃる。リズムに乗って踊っておられるのを拝見して、私のほうが若干若いですが、びっくり仰天です。いきいきとした姿にダンスや運動を通じた健康増進を図る大切さを、あらためて認識しました」と感心しきりだった。