行動様式の変化がメンタルに与える影響は小さくない。コラムニストの石原壮一郎氏が考察した。
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パリ五輪も、いよいよ終盤。日本選手の活躍に声援や拍手を送ったり、惜敗に悔しい思いをしたりなど、寝不足が続いた人も多かったのではないでしょうか。その競技を見るのはほぼ初めてというニワカファンもドンと受け止めて、素晴らしい技や戦いっぷりで感動させてくれるのが、オリンピックの魅力であり懐の深さです。
今回のパリ五輪では、ネットやSNS上での選手に対する誹謗中傷が話題になりました。具体例を挙げるのは控えますが、一生懸命に全力で戦った選手に対して、何もしていない側が安全圏から言葉の刃を突きさすのは、あまりにも残念で情けない光景です。
これまで選手側は、ほぼ言われっぱなしでした。しかし今回は、日本オリンピック委員会(JOC)が緊急声明を出したり、関係者やチームメイトが仲間を守る投稿をしたりなど、これまでにはなかった動きも見られます。
もちろん、ごくごく一部の人がやっていることではありますが、選手に対する誹謗中傷がネット上にあふれたことは、あらためて「ネットの怖さ」や「ネットの愚かさ」を浮き彫りにしました。「人間の怖さ」や「人間の愚かさ」と言い換えてもいいでしょう。ネットを使っている限り、誰もが落とし穴にはまる可能性があります。
「ネット中毒度チェック」で自分の中に潜む危険性を自覚しよう
ふと気が付いたら、自分もネットのコメント欄やSNSに誹謗中傷を書き込んでいた――なんてことになったら、目も当てられません。お天道様にもご先祖様にも顔向けできないし、家族や友人知人に「じつは、こんなことしちゃって」と話すのは絶対に嫌です。ほとんどの場合、本人はダメなことをしている自覚がなさそうなのも怖いところ。
転ばぬ先の杖というか、自分の中に潜んでいる危険性の把握というか、そのあたりを目指して「ネット中毒度チェック(別名;ネットに振り回されている度チェック)」を作ってみました。次の5つの項目のうち、自分に当てはまるものはいくつありますか。
その1〈「オリンピック選手に対する誹謗中傷」のニュースを見て、「傷つくぐらいならネットなんか見なければいいのに」と思った〉
その2〈不倫がバレた芸能人などに関して、自分の価値判断ではなく「世間がどう反応しそうか」を基準に意見を決めている気がする〉
その3〈自分は加担しないにせよ、誰かがバッシングされたり炎上したりしている様子を見るのは楽しいし、留飲を下げることもある〉
その4〈相手に面と向かっては言えないことをネットに書き込んだことがある。もしくは、実名なら言えないことを匿名で書き込んだことがある〉
その5〈1~4のようなことは今では当たり前すぎて、ネット中毒かどうかを判断する基準にはならないのではないか……と感じた〉