影響を受けたりお世話になった人はいまでも歌い続ける
そのフィルムコンサートで改めてよみがえったのは、全国縦断コンサートや大阪球場のコンサートでの秀樹さんのド派手ですばらしいパフォーマンスの数々でした。
驚かされるのは、秀樹さんのとてつもない体力です。長身で肩幅も筋肉もあるのに全体的にはスリムな体形の秀樹さんは、当時どれだけ鍛えていらしたのでしょうか。広いスタジアムを走りながらファンの皆さんの近くまで行き、大サービス。それはいまのように大型ビジョンがないからなのですが、それでも息が切れずにハァハァすることもなく、音程もリズムもまったく乱れないのです。
お亡くなりになったとき、ニュースやワイドショーで明かされたので、ご存じのかたも多いと思いますが、スタジアムでコンサートを行った最初の日本人ソロアーティストであり、ゴンドラやスモーク、花火、移動ステージなど、現在もアーティストが取り入れている演出を最初にファンの皆さんに見せたのが秀樹さん。ファンの皆さんが持参した懐中電灯からヒントを得て、ペンライトを生み出したのも秀樹さんとスタッフさんたちなのでした。
前述の松本孝弘サンをはじめ、秀樹さんに影響を受けたり、お世話になった少し年下の芸能人はいまでも秀樹さんについて語り、カラオケでは秀樹さんの楽曲を歌い続けているのです。
その筆頭が木梨憲武サン(62才)。以前も書きましたが、憲武サンが歌う『ラスト・シーン』は絶品なんです。そんな憲武サンがプロデュースし、所ジョージさん(69才)が作詞作曲を手がけたのが新浜レオンさんの『全てあげよう』。
3月27日に発売されて以来、17週連続でオリコンの週間演歌・歌謡シングルランキングでトップ10入りしている同曲は9月11日、憲武サンとデュエットする新バージョンも入って再リリースされることが決まりました。ジャケ写に「レオン応援団長 ヒデキナシ」を名乗るロン毛の憲武サンとレオンさんが着ているのは、もちろん秀樹さんのオマージュとも言うべき衣装です。
「秀樹さんに憧れるレオン! 若い頃、秀樹さんに面倒見てもらった私。秀樹さんになれるよう、レオンを全力で応援します!! がんばレオン!! 紅白を狙え!」と憲武サン。
今夏リリースされる、西城秀樹さん“きっかけ”のアルバムやシングル。語り継がれる秀樹さんのエピソードの数々に、私もどっぷり浸らせていただきます。
構成/山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!+』(メ〜テレ)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。
※女性セブン2024年8月22・29日号