絵本の中には、美智子さまから贈られたものもあったという。美智子さまと絵本の馴染みは深く、1992年『どうぶつたち』(まど・みちお・作、安野光雅・絵)の英訳を担当された。その美智子さまは、2018年10月のお誕生日に際して公表された文書に、次のように綴られている。
《読み出すとつい夢中になるため、これまで出来るだけ遠ざけていた探偵小説も、もう安心して手許に置けます。ジーヴスも2、3冊待機しています》
ジーヴスとは、イギリスの作家・P・G・ウッドハウスの探偵小説に登場する、謎解きが得意な執事の名だ。日本では『比類なきジーヴス』や『ジーヴズの事件簿』のタイトルで販売されている。あれから6年。すでに美智子さまは読み終えられているに違いない。
一方、上皇さまは魚類学者として論文を執筆された経験があり、2018年に『小学館の図鑑Z 日本魚類館』で、ハゼに含まれるチチブ属について4ページの原稿執筆を担当された。
学術的な側面で言えば、秋篠宮さまは2000年に鶏の分類や家禽化の歴史などについてまとめた『鶏と人 民族生物学の視点から』を出版されている。同書の挿絵は紀子さまが描かれたものだった。紀子さまも、絵本作家・ビッキー・イーガンの『ちきゅうのなかまたち』シリーズの翻訳を担当されたご経験がおありだ。
酷暑ゆえ、室内で過ごす時間が長くなりそうなこの夏。冷房の利いた部屋で、皇族の名著と愛読書に読み耽るのはいかが。
※女性セブン2024年8月22・29日号