少年は違法薬物を販売するたび、仕入れ代として8万4000円を被告らに払うことを約束していた。しかし昨年2月中旬、彼は薬物を売った後にこの代金を支払わず、徳永被告からの連絡も無視していた。また同じ頃に、特殊詐欺で手に入れた金を持ち逃げした仲間の男を匿っていたことで、さらに被告らの怒りを買ってしまう。
3月6日、被告は少年を呼び出して共犯者の三枝被告が運転する車に乗せて、少年の実家がある埼玉県まで向かった。道中、徳永被告は少年に対し「お前はこのまま山だからな。生きては帰れねえぞ。最後に聴きたい曲はあるか」などと脅していたことも判明した。
早朝5時、少年の実家に着いた被告は寝ている母親を起こし、「子どもの使いじゃないんだよ! 大の大人がここまで来ている。払わないと息子の命の保障はない。俺は8万円ごときで殺人までやりたくないけど、外にいる人は何をするかわからない。20万円払えば命は保証する」と恐喝し、その場で現金20万円を奪ったという。
これまでに合わせて21件の罪で起訴された徳永被告だが、法廷では完全無罪を主張した。監禁と恐喝については「トランクに閉じ込めたのは三枝被告ひとり」「恐喝は一切していない」と訴え、詐欺についても「あくまで人を紹介しただけ」と、一貫して犯罪への関与を否定している。
今後、検察側は主犯としてそれぞれの罪に関与していた被告の行為を立証していく予定だ。被告は今後、何を語るのか。次回公判にも注目が集まる。