テレビなど表舞台への復帰をかけて取り組んでいることがある。YouTubeのショート動画で、その日の天気予報を発信しているのだ。
「YouTubeを友人から勧められた2年前、毎日、人に頼らず、身ひとつで続けられることも同時に始めよう、と決心しました。天気ならどこにいてもできますから、その日にいる場所と沖縄の天気をお届けしています。能登半島地震で被災された方々にも、忘れていないよ、というメッセージを送っています。朝3時に寝た日でも、雨の日でも、1日も欠かさず続けていますよ」
毎朝目覚ましを4時にセットして、腕立て、腹筋、柔軟を行って身体を目覚めさせる。
「6時に外へ出て天気予報のショート動画を配信し、それから1時間で7~8kmジョギング。汗をかいてがんばっている姿を、みなさんに見てもらいたいです」
実業家として順調に復活を果たしても、芸能の表舞台への復帰にこだわるのはなぜなのか。
「もともとテレビ畑で育った人間ですから。顔を出して生きてきて、そこで泥をかぶったので、泥を洗い流すには同じステージにもう一度立つしかない、と思っています。一度失敗した人間にもチャンスを与えてほしい。僕はルールに則って罪をつぐなったのですから。
一番やりたいのは、朝のワイドショーのコメンテーター。今、コメントしている方たちは、奥歯に物が挟まったような言い方しかしない。番組を降板させられるのを恐れているのかもしれないけど、言わなさすぎです。たとえば、きれいごとの選挙公約や被災地復興の遅れについて、なんでもっとちゃんと言わないの? って。僕は塀の中にいたからこそ語れることがあるという自信があるし、社会の弱者の親身になって発信できると思います」
語り出したら止まらない。羽賀さん、何だか政治家っぽい……?
「政治にも興味はあります。いくつか、お声もかけていただいています。でも、僕のイメージは悪いですから、今の僕ではまだ早い。いつか……」
羽賀さんの不屈の精神と野望、これからどうなっていくのだろう。
(了。前編を読む)
◆取材・文/中野裕子(ジャーナリスト)