「ペーパードライバー状態が続き、私みたいな者が車の運転をしたら危険だと考え、実は70歳を過ぎたときに決意して運転免許証は返納しました。事故を起こしたら大変ですからね」
──2008年に喉のポリープ手術。2011年6月14日、広島でコンサート中にステージから転落して左ひざの剥離骨折。2014年6月には、腰部脊柱管狭窄症で手術され、この数年はケガや病との闘いでした。
「腰部脊柱管狭窄症のときは大変でした。歩行も難しくなってしまい、いつものようにコンサートのステージで元気よく走り回ることができず、医師から『手術をすればもとに戻る』と聞き即断しました。その後ですが、去年も突然、腰の痛みで立てなくなって『再発かな?』と医師に診てもらったら“圧迫骨折”との診断。皆様にご心配をおかけしてしまいました。そんな困難も乗り越えることができたので、表舞台から身を引くなんて思ったことはございません!」
──頼もしいです。諦めない水前寺さんの姿を見て、震災の被害を受けた故郷・熊本のファンも勇気づけられていると思います。
「2016年の熊本地震には言葉にならないくらいの衝撃を受けました。故郷のシンボルである熊本城の惨状を見て『私の歴史も終わった』と感じました。もちろん支援物資も送らせていただきましたが、歌を通じて元気になってもらうことも私の大きな使命だと思いました。故郷のためならどこででも歌うつもりでした。復興支援のイベントではニューヨークまで行かせていただきました。
私が熊本に住んでいたのは小学校6年生まででしたが、やっぱり生まれ故郷には特別な思いを持っていますね。大好きだった父と母、2人とも東京で亡くなりましたが、『いつかは熊本に帰りたい』という気持ちがあったので、今は熊本に眠っています」