裏で操っているのは財務省
麻生氏主導の総裁選びを裏で操っているのが財務省だ。麻生氏は安倍政権で長く副総理兼財務相を務め、後任の鈴木俊一・現財務相も麻生氏の義弟だ。「財務省の守護神」的存在と言っていい。
自民党総裁選は混戦と報じられているが、財務省からすれば、有力候補はいずれも財務省の“紐付き政治家”ばかりだ。政治評論家の有馬晴海氏が指摘する。
「茂木氏は財務省と関係が良いし、派閥主導の総裁選を批判して若手の間に擁立論が強まっている小林鷹之・前経済安保相と加藤勝信・元官房長官はどちらも財務官僚OBです。
麻生さんと対立している石破茂・元幹事長も財政規律派ですから、財務省にすれば、彼らの誰が総理総裁になっても、基本的には岸田政権と同じ財務省主導の歳出削減・増税路線の政権になると考えているわけです」
そんな総裁選が国民に悲劇しか生まないことは、麻生氏と財務省に支えられた岸田政権の3年間を振り返ると明白だ。
(後編に続く)
※週刊ポスト2024年8月30日・9月6日号