ライフ

《開会式からして、だから何?》オバ記者が吐露する五輪への率直な気持ち 夢から覚めたモスクワ大会

“オバ記者”が五輪への冷静な気持ちを率直に綴る(時事通信フォト)

“オバ記者”が五輪への冷静な気持ちを率直に綴る(時事通信フォト)

 日本選手団のメダルラッシュに沸いたパリ五輪。大いに盛り上がった人がいた一方で、あまり興味がない人もいる。『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子が、五輪への冷静な気持ちを率直に綴る。

 * * *
「もう、昨夜はガチヤバだったでしょ?」「何が?」「ええ〜っ、広子さん、知らないんですか。男子体操が団体で金メダルを取ったんですよ!」

 わが家に出入りしている“娘もどき”のチエコ(29才)と私の先日の会話だ。チエコはハーフマラソン大会に出場するようなスポーツウーマンで、ノースリーブのシャツから出た筋肉質の腕が眩しいったらない。

 そりゃあ、パリ五輪での体操男子は面白かったわよ。ちょっとしたミスでメダルの色が変わる緊迫感は見応えがあった。それでも、「見逃して残念」とまでは思わないんだわ。「見てよし、見なくてもよし」と私はどこか冷めている。てか、それ以前に、芸術国フランスが総力を挙げたに違いない開会式からして、だから何? 後からスマホで動画をチラッと見たけど、正直、この壮大なスペクタクルが見ちゃいられないのよ。ひねくれ者? そうかもね。

 私と五輪の出会いは1964年の東京五輪で、当時小2の私は近所の家を回って白黒テレビを見せてもらったの。開会式では空に飛ぶ鳩の群れに驚き、ルールも知らないのに女子バレーに興奮したっけ。体操競技の翌日、学校では男の子たちが「チャスラフスカ、ボイン!」と言いながら、手で胸に山を作って笑っていたのも忘れない。茨城の田舎では体のラインを出した女性を見たことがなかったから、それだけで騒ぎだったのよね。女子バレー選手はブカブカの提灯ブルマーだったもの(ちなみに、「ベラ・チャスラフスカ」は旧チェコスロバキアの女子体操選手。1964年の東京五輪、1968年のメキシコ五輪で計7個の金メダルを取り、「五輪の名花」「東京の恋人」と呼ばれた)。

 とはいえ、いまと変わらないこともある。それは、試合の合間やドキュメンタリー番組で選手たちがどれほど厳しい練習をしてこの晴れ舞台に立ったのか、繰り返し放送されることよ。なぜそこまでして頑張れるの?と、子供だった私は思ったけれど、身近な大人たちの答えは1つ。

「そら、タダでアメリカに行けるからだよ」

 いま思うと笑っちゃうけれど、当時の茨城では「外国=アメリカ」で、フランス人もドイツ人もひっくるめて「アメリカ人」と言ったのよね、少なくとも私の周りでは。だから東京の次の開催国がメキシコと知ると「アメリカじゃないんだ」と気落ちした。メキシコでは五輪のご褒美が足りないではないかと思ったのよ。

 ところがいざメキシコ五輪が始まると、女子バレー、男子バレーともに銀メダル。このときはわが家にもテレビがあって、夢中になって応援した。翌年、中学生になった私がバレーボール部に入部したのはその影響だ。それからミュンヘン、モントリオールと続いて、そのたびに脚光を浴びる種目とスター選手が出てきて、私も無邪気に世界規模のスポーツを楽しめたんだよね。

 夢から覚めたのは1980年のモスクワ大会よ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
主演女優として再ブレイクしている安達祐実
《『家なき子』から30年》安達祐実が“子役の壁”を乗り越え、「2度目の主演ブレイク期」へ 飛躍する43才女優の今を解説 
NEWSポストセブン
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
米国からエルサルバドルに送還されたベネズエラのギャング組織のメンバーら(AFP PHOTO / EL SALVADOR'S PRESIDENCY PRESS OFFICE)
“世界最恐の刑務所”に移送された“後ろ手拘束・丸刈り”の凶悪ギャング「刑務所を制圧しプールやナイトクラブを設営」した荒くれ者たち《エルサルバドル大統領の強権的な治安対策》
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
中居正広氏とフジテレビ社屋(時事通信フォト)
【被害女性Aさん フジ問題で独占告白】「理不尽な思いをしている方がたくさん…」彼女はいま何を思い、何を求めるのか
週刊ポスト
食道がんであることを公表した石橋貴明、元妻の鈴木保奈美は沈黙を貫いている(左/Instagramより)
《食道がん公表のとんねるず・石橋貴明(63)》社長と所属女優として沈黙貫く元妻の鈴木保奈美との距離感、長女との確執乗り越え…「初孫抱いて見せていた笑顔」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン