PLランド、PL短大、そしてPL花火大会も「消滅」
PL教団の最盛期は、KKコンビが入学した1983年だろう。信者数は公称で261万人に上っていた。しかし、同年に御木徳近氏が死去すると、求心力を失った教団の信者数は減少の一途をたどり、2代の遺物がことごとく消滅していく。
たとえば、聖地内にあった遊園地の「PLランド」だ。1957年に開業した遊園地も、1989年には閉鎖に。また1974年に開校したPL短大は2000年に廃校となった。
また大阪における夏の風物詩で、かつては12万発も打ち上げたPL花火大会(正式名称を教祖祭PL花火芸術という)もコロナ禍前の2019年を最後に開催されていない。
近鉄喜志駅と富田林駅にまたがる広大な聖地にかつては1万本の桜が植えられており、春には聖地を桃色に染めていた。しかし、その桜の木も伐採が進んだ。その理由は信者に知らされていない。さらに、聖地内の池や谷が残土で埋められていることにも信者は心を痛めている。信者が心のより所にする聖地が、産業廃棄物という不浄なもので埋められていくのだ。支持を得られるはずがない。2代教祖の時代から信仰する信者が話す。
「教団の運営が行き詰まっているからこそ、聖地を産業廃棄物で埋めて運営費に充てていると思われます。花火大会の中止も、表向きはコロナ禍が理由でしたが、もはや花火大会を開催する余裕すらなく、花火大会を中止にする口実としてコロナ禍は渡りに舟だったでしょう」
教団では2020年12月に3代教祖であった御木貴日止氏が63歳の若さで死去し、以降は教祖不在という、リーダー不在の状況が続いている。PL教における信仰の対象は宇宙全体を指す「大現霊(みおやおおかみ、だいげんれい)」という神だが、その代理として現世にいるはずの教祖なくして、宗教団体としての存在意義などあるのだろうか。2代教祖の娘にあたる人物が、教団内の実権を握る3代教祖夫人・美智代氏の退陣を迫るような動きもあるとはいえ、お家騒動が続く状況に信者の心は完全に離れている。